やりたいネタをやる
M-1グランプリ。
言わずと知れた若手芸人の登竜門的グランプリ。
決勝に行き、結果を出せば、世界が変わる。
一夜にして売れっ子芸人の仲間入りを果たすことができる。
若手芸人は人生を変えるために、この大会に全身全霊で臨む。
ただし、賞レースなので、おもしろくっても受からないネタもある。
やりたいネタをやって結果を出せるとは限らないのだ。
オードリーさんは、キャラ漫才と言われる漫才で決勝まで行き、準優勝という結果を残した。
その後の活躍はご存知の通りである。
しかし、M-1に出る前は「キャラ漫才だと決勝に行けないよ」と言われ、一時は普通のネタをやるか?と会議していたらしい。
結果、俺らってなんで漫才やるんだろう?楽しいからだよね、やってて楽しいのはこっちだから受からなくってもいいからこっちをやろう!という決断に至ったそうである。
マヂカルラブリーさんは、2020年の大会でチャンピオンになった。
優勝後「漫才論争」が巻き起こるほどの、我流漫才を披露し、話題となった。
優勝時のネタ『吊り革』は、野田さんが電車の吊り革に捕まらず立っていたいのだがバランスを保てない、というネタで、
その中で、おしっこを撒き散らしてしまう件りがある。
この件りも一時は「M-1に行けないのでは?」と、変えてやったりしたそうだが、
結果、このネタやりたいのはこの件りをやりたいからだし、二人とも乗ってできないから、おしっこで行こう!となったらしい。
我々は、下ネタ漫才をライブで披露し、先輩の芸人たちに相談すると、やはり「M-1ではきついのでは?」と評価がくだった。
一時下ネタ部分を全て直し、一切のエロを封じてライブでやったが、気持ちのいいぐらいにすべった。
ネタ終わり、M-1でやりたくないネタをやってすべるぐらいだったら、どうせならやりたいネタをやりたいよね、ということになり、相方と話し合った結果、M-1で下ネタをやることが決定した。
友だちの芸人から「M-1で下ネタやると聞いて、カッコいいっす!」とラインが来て、まさか下ネタやることをカッコいいと思われると思ってなかったが、やりたいネタをやっていいんだ!と思えた。
オードリーさんもマヂカルラブリーさんもやりたいネタをやって結果を出している!
『相手に伝わらなくてもいいんだと思って純粋さをつらぬけば、逆にその純粋さは伝わるんだよ』
by岡本太郎
我々のネタもいつか誰かに伝わるんだろうか。
誠実フレグランスは、誠実フレグランスのネタをやる。
誠実フレグランスのネタを突き詰める。
いつか誰かに伝わると信じて。
いつかM-1でたくさんのお客さんの前でネタを披露し、大爆笑を巻き起こすのが夢。
そうして今日も、鏡の前で一生懸命こっちの方がMに見えるよね?などとM字開脚の練習をしたり、ここはテンガエッグよりもテンガの方がいんじゃね?とか、ここのセリフを言い終わるまでシコっておいてほしい、などと一生懸命謎のネタ合わせをしているのだ。
うちらの純粋さがいつか伝わるといいなあ。
P.S.
結果は一回戦敗退でした!!!
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