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140字小説「実りカルタ」

涼風の青い空に
黄金の穂から
たくさんの米粒たちが
勢いよく踊れば、
収穫祭の合図だ。

「笛はどこ?」

「笛ー?!」

「あったー!!」

丸に豊の文字が背中で揺れる。
カシラは法被に何度も袖を通し
商店街を奔走している。

軽快な掛け声と太鼓の振動に
今年もゆらゆらと尻尾を合わせよう。

眺めの良いこの場所で。



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