今日は大好きだった人の誕生日
1年前、私には 心から大好きな人がいた。
夢で会いたいのに
眠れないくらい大好きだった人。
同じ会社にいるのにもかかわらず、
フロアが違うからたまにしか会えない。
それでも通勤時間や社内で偶然会えないか
ソワソワしたり。
多肉植物が好きって言ってたから
自分も真似して買って報告LINEしてみたり。
秋が深まった頃、やっと2人でご飯に行けた日、
彼が記入した生年月日を私は一瞬で記憶した。
当時の私は、彼のすらっとしたシルエット、
身のこなし、仕事の要領の良さ、醸し出す雰囲気に心底惚れていて、もっと彼のことを知りたい気持ちでいっぱいだった。
想いが強すぎて 一生懸命追いすぎてしまった。
好きすぎるあまり、理想が壮大に膨らみ、
相手に期待をしすぎて.....
結局私は 号泣する結末に。
30歳のクリスマスは人生で一番泣いた日だ。
職場でも泣きそうになってしまったり、
何日も モヤモヤして過ごし、
それ以外のことはあまり記憶がない。
雪が舞っていると思ったら
いつの間にか花粉が舞っていた。
少しずつ気持ちの整理ができて
やっと立ち直った頃、
新年度から同じフロアへの異動を命ぜられる。
毎日顔を合わせるようになった今は、すっかり
"会社の先輩"と割り切って普通に過ごせている。
今では なんであんな人好きだったんだろ?と
思うくらいだ。でも嫌いではない。
それでも 私は今日、朝一番に
「お誕生日おめでとうございます」と
彼のデスクに直接伝えに行った。
せめて おめでとうだけは伝えたかった。
1年に1度だし、もう来年には近くにいないかもしれないし。
なんで自分の誕生日知ってるの?とも聞かれなかったが、まぁ、そんなもんだろう。
私の家には 彼に渡す予定だったクリスマスプレゼントがまだ残ってる。
浮き足立ってニヤニヤしていて、冬の寒さなんて全く感じなかった日々が いまだに忘れられない。
あんなに感情が揺さぶられる経験は、
ある意味貴重な体験だったと思う。
私の誕生日がいつなのか
彼から尋ねられることは一生ないだろう。
それでも私は 9月になるたび、
彼のことをきっと思い出すのだろう。
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