だんろ

言語学者、大学教員。熱くなりがちなのでつとめてのんびりしようとしている。

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言語学者、大学教員。熱くなりがちなのでつとめてのんびりしようとしている。

最近の記事

お母さんは阪神ファン―アレと禁忌と祝祭と―

この記事は「言語学な人々」Advent Calender に参加したものです(すっかり予定した日より遅れてしまい誠に申し訳)。 阪神の「アレ(A.R.E.)」、新語・流行語大賞の年間大賞受賞おめでとうございます。日本シリーズ制覇は1985年以来38年ぶり2度目ということで、一大ムーブメントの結果の堂々受賞ですね。 「言語学な人々」参加記事ということで、この記事では言語学・日本語学的な視点から「アレ」を扱ってみようと思います。「アレ」については既にまつーらとしおさんが記事を

    • 「○○が こえる/かえる話」のはなし

      この記事は「みんなの北星 Advent Calendar 2023」に寄せたものです。 ご注意 今回は「こういうのがっ、好きっ、なんですよ!」っていう本とか映画とかのはなしを書こうと思います。内容の核心部やオチにはふれないようにしますが、テーマ的にネタバレっぽくなるのは避けようがないので、そのへんご注意ください。この後、この記事内でとりあげる作品の一覧を書きますが、リストとして並ぶことで各作品の方向性がうっすら透けて見える可能性もありますので、ネタバレ断固反対派の方はリス

      • ゾウはどう歩くのか(あるいはマイクを踏む大人の話)

        この記事は「みんなの北星 Advent Calendar 2022」の1記事として執筆したものです。 ふだん計画を立てて、構造を作りこんで…っていう文章の書き方を説いている身だけど、今日は思いついたことを適当に、ゆるやかに書こうと思う。自分にとって何かを書くことの根っこは「たのしい」ことなので。 どうして大学教員に行きついたのか?と考えると、自分にとっての原風景として思い出すのは、タイトルの通り「ゾウはどう歩くのか」の話だ。これは同時に「マイクを踏む大人の話」でもある。何

        • 「あなたの言えない世界」

          言語学界隈の人たちでAdventorをやるということでお誘いいただいたが、考えてみればあんまり芸も引きもない人間ということで、とってもゆるーい話を一席。 前置き:「あなたの知らない世界」と境界 子どものころ、「あなたの知らない世界」というTVの怪談番組があったのを覚えている。細かな内容を覚えているわけではないが、ワイドショーで怪談話のコーナーをやっていたなという記憶がある。今調べてみると1973年から1997年まで続いていたということなので、かなり息の長いコーナーだったよ

        お母さんは阪神ファン―アレと禁忌と祝祭と―