端っこ
多摩モノレールの端っこ。
この2人席には何回もお世話になったけな。
初めてこの席に乗ったのは
大学1年生の時。
空きコマの時間に友人と2人で
時間つぶしに乗った。
彼は良く時間つぶしに
多摩モノレールの端から端へ
なんとなく乗るらしい。
「怠惰の極みだ」
初めはそんな印象だった。
半端なく無駄な時間のつぶし方。
バカじゃないのとか思ってた。
ただ、やってみると案外楽しい。
いつもは何気なく乗っているモノレールだけど、こんな風に乗ってみるといつも見ているはずの景色なのに違って見えた。
多摩センターの都会になりきれなかった感。
そこから僕の大学へ向かう間の田舎感。
程久保あたりの住宅地に
田舎っぺの僕からみた大都会感溢れる立川。
上北台の寂れた感。
全てが新鮮だった。
いつも目の前に広がっている景色なのに
意識して見てみると面白い。
四季折々に見せてくれる顔も
天候によって変わる顔も
あの時やらなかったら
気づかなかったかもしれない世界だ。
そこからはたまにそんな時間つぶしを
するようになった。
モノレールに乗ってるだけの時もあれば、
本を読んでいる時もあった。
ちょっとした気晴らしタイム。
何気ないところに
僕の4年間が転がっている。
無駄に思えるそんな時間が
僕は好きになったんだ。
読んでいただきありがとうございます。 僕の世界を広げるものに使わせていただきます。