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詩誌「三」67号掲載【小さな窓辺】正村直子
今となりにある人のぬくもりに
ウイルスが紛れていてなんだというのか
あなたの飲みかけのメロンソーダを飲んだ
少し気の抜けた秋のいりぐち
次の雨が降ったら旅支度をしよう
雨上がりと一緒に出発して
たどりついた見知らぬ街の路地裏で
四角い空を見上げよう・・・
薄暗い部屋の小さな窓辺から
九月の夕暮れの風を吸い込んだ
あなたからもらった本のあいだで
ハルジオンの押し花が
閉じ込められたまま揺れている
2022年9月 三67号 正村直子 作
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