誰でも簡単にできる「演じる」ことのすすめ③朝一番のセリフを決めてみる
こんにちは。田村さえです。
灯台とスプーンという、福岡の演劇団体で劇作家・演出家をしています。とはいえ新作のホン(台本の執筆)がなかなか進んでおらず、ぐぬぬ状態です。noteやブログはすぐ書けるのに……ぐぬぬぬ。
先日は、とてもながい自己紹介の記事を書きました。読んでいただいた方、ありがとうございました。どういう人間か知りたいなっという方はそちらもぜひお読みください。
さて、「演じることのすすめ」前回はちょっと身振りを使った提案でした。3回目の今回はどんな人でも、一人でこっそり、お家でできるものをご紹介しようと思います。
超ライトなえんげき、やってみよ〜!
いちにちの始まりに言うセリフを決める
突然ですが、あなたは朝、何時ぐらいに起きますか?ぐっすりいけてますか?私は夜型がなかなか抜けず、ひどいときは4時くらいまで眠れない日々が続いて少し落ち込んでいたのですが、こないだ宇多田ヒカルさんのライブ映像を見た時に、朝5時まで起きてる日もあるらしい情報を聞いてホッとした民です。「私の(生活)リズムは宇多田ヒカルとお揃いだ」と。
(はじまりからしょうもない脱線してすみません…。)
今回の提案は、夜寝る前、もしくは今でもかまいません、「翌日起きた朝一番の一言」を決めて寝てみるという遊びです。いちにちの始まりのセリフですね。
目標めいたことでもいいし、どこかできいたことのある言葉でも、偉人の言葉でもかまいません。あっでも、人間が喋ってるっぽい言葉がいいと思います。四字熟語とか、座右の銘とかよりも、「今日はいい日にするぞ」とか「おいしいコーヒーが飲みたいな」とか、そういうつぶやきがいいと思います。
それを、スマホか、メモで枕元に置いて寝て、翌朝起きたらはじめに言う。それだけです。とっても簡単ですね。
ただ、ちょっとしたことで不眠になっちゃうな…という方は、寝る直前にしない方がいいかもしれません。その場合は、昼間とか夕方くらいにスマホに書いて、一旦忘れて、起きる時間にリマインダーしましょう。
実際にいちにちの始まりを演じてみる
起きて「言う」ただそれだけ決めて寝てみてください。そして、めざめてその言葉を言う。たぶん、「おいしいコーヒーが飲みたいな」と言った人は、起きてコーヒーを淹れ始めるか、その日どうしても良い感じのカフェにいきたくなると思います。
例として、戯曲っぽく書くと
ト書き:「私」が寝ているアパートの一室。朝6:30、目覚まし時計のアラームが鳴る。「私」は手を伸ばし、アラームを止める。一度布団の中でもぞもぞとしたのち、ゆっくりと体を起こす。
私「おいしいコーヒーが飲みたいな……。」
という感じでしょうか。
せりふは俳優を少しだけ支配する
実際の戯曲に書かれているト書き(俳優への指示とか、シーンの説明、何が起こるか)とセリフは俳優を部分的に支配します。でも、書いてあること以外は基本的に自由で、余白部分は演出家と俳優が考え、ともにシーンを作っていきます。
つまり、朝一番に言うセリフを先に一つだけ決めておくと、あなた自身の行動も、そのセリフ一つぶんだけ支配されるのです。
もちろんセリフにもよりますよ…「にゃーん」とかにしておけば、「にゃーん」で終わります。あっ、まあ、ちょっとかわいくてたのしい気持ちに支配されそうですね。笑
(※実際の演劇の現場では「支配」なんて言葉は一切つかいませんが、はじめての方にもわかりやすく読んでもらう表現として使っています。)
全ての戯曲は「ト書き」と「せりふ」で構成されるよ
ちなみに、基本的に戯曲は「ト書き」と「セリフ」だけで進んでいくので、今日からあなたも日本語で書かれた戯曲は全て読めるはずです!笑
もし、「戯曲を読んでみたいけど読み方がわからない、手をつけにくいなあ…」という方は、この機会にぜひ読んでみてください。もちろん小説と同じで書かれ方は作家によって変わりますが、きっと好きな作品がみつかるはず。
そんなこと、当たり前じゃん!知ってるよ!と言う方も、この朝一のセリフ、よかったら試してみてくださいね。朝一なのでなるべく明るい気持ちになれそうなものを用意しておくのがおすすめです。みなさんの楽しいえんげきライフの一助になりますように!
にゃーん。
活動を続けていくための力になります。ありがとうございます…!