月に一本、映画とゲームのエンディングを見るという話-22年3月編
インプットをサボっていた訳ではないのですが書くのは確実にサボっていました。さて、最近はますますタスクが過剰になり気味で音声作品の台本確認や演出の入れ込み、編集の指示やら収録のディレクション、グッズ制作やらCDジャケットのデザイン関連等やる事のオンパレードといった所です。多忙アピールっていう奴ですね、いやらしい女だわ。
最近は百合漫画だけでなく百合小説も毎月毎月嗜んでいます。楽しいですね。そろそろ落ち着かせようと思ったんですがまだ読みたいと思う本が数冊あるのでそちらも買って読もうかと思います。でもゲームや映画の方にまた戻ろうかなと思います。
さて、3月にあれこれした奴です。
アメリカはOMOCAT開発のRPGです。アパレルやグッズ系メインのデザイナーであるWEBコミックをベースにOMORIは開発されました。
非常にメルヘンな世界観の不思議なRPGです。
可愛くも陰鬱で、死やうつ病など非常にわかりやすく光と闇が表裏として存在しています。
興味深いのは、光の世界に闇が漏れてくる事はあっても、闇の世界に光が刺すことがありません。これは不安感を煽るのに非常にうまく機能しており、光の世界がどういった世界なのかが無意識的に示唆できるような
演出がなされています。全体を通して新鮮なアートワークであったりBGM、演出を含め細かい所を詰めに詰めた作品になっています。
おすすめですが結構普通に怖いのでおすすめじゃないです。
イギリスのデベロッパーponcle開発のこれこれ駄目になるっていう感じのローグライクアクションゲームです。
操作は移動のみで攻撃はすべて自動で行われ単純明快100週して100パターンのビルドで楽しもうっていう感じのゲームです。
快感とは何かっていうのをシンプルに凝縮して煮詰めたような作品で、気が付いたら何度も何度もプレイしてしまい時間をドブに捨て続ける圧倒的な快感と絶望を手に入れる事が出来るため、中毒性が高く非常にお勧めな上にお勧めできない作品に仕上がっています。
やらない方がいいですがお勧めです。
ハーモニー
伊藤計劃さんのSF小説です。
時代はそう遠くない未来のお話ですが、国民全員にナノマシンが導入され、人間の健康や生活が管理されている世界観のお話です。
単純に管理社会といっても自由意志的な物を失わせるような物ではなく、体裁としては健康管理や精神安定等の管理が究極にまでなされているというのがベースにあり、ハーモニーの世界では病気という物が存在しなくなった世界になっています。
それって素晴らしい事じゃないの?と思いますが素晴らしい事なのに疑問が産まれるというのがこの作品の面白い所だと思います。
病がなくなればどれだけ幸せで健康的な生活が送れるんだろうか。人が死ななすぎて人口が飽和するんじゃないかみたいな不安感は拭えませんが。
近い未来そういう社会や世界が来てもおかしくないと容易に思えてしまう薄ら怖さみたいなのが常に内包されていて、SFなのにSF感が無いし
血圧や心拍数などは既に日常的な可視化と管理をしている人間が居て、血糖値も電極とチップをシールとして腕に貼り、確認する事が出来る世界になっています。
今後ネットワークにつながったナノマシンとARレンズによってHUD経由で自身の状態が数値化され、しきい値を越えた瞬間に警告が出たり、
そもそもしきい値を超えるような食事は接種できない制限がかかる等、健康管理はしやすく明確に出来るようになるかと思います。
だからこそ、違和感が無く怖さもあります。そしてそれが当たり前の世界に対して一発ぶん殴って揺さぶらせようとする人間が出てくるのも自然なんだろうと思います。
ハーモニーはそんな話です。
百合文脈で読み始めましたが百合じゃないという意見も当然ある中、さむさんは百合が見えました。
百合はあります。
アステリズムに花束を
ハヤカワ文庫の百合SFレーベル発足記念とSFマガジンリリースに合わせて発行されました。百合SF小説を色々と接種しています。今回は百合SFの短編が8篇も入ってて満足出来る百合SFアンソロジーです。
作家各々が自由な発想でSFと百合を融合させた多岐に渡る百合SFを読むことができます。
百合SFアンソロジーというジャンルを銘打ってる物の中でここまで幅を作ることができるという感動とSFっていうジャンルの幅広さに面食らう事が出来ました。
各タイトルに関しての感想も書きたい所ですが非常に長くなる為割愛します。個人的にお気に入りなのは伴名練さんの彼岸花です。お勧めです。
百合はあります。
伊藤計劃さんのSF小説を原作としたアニメ映画です。
ノイタミナ枠として地上波放送ではないのですが劇場版として3部作をアニメ映画化した中の一遍。らしいなという感じ。
基本は原作に忠実で2時間で楽しめるのもあり優しく摂取できます。
視覚化されることによる、社会背景における人間のリソース思想。健康、安全、社会貢献などの言葉がデジタルサイネージによって目に入ってくる為、非常に嫌な気持ちになれて良いです。
小説だけでは無しえなかったこんな社会嫌だっていうのがより顕著に感じる事になります。
また、一部映像化に当たってリファインされている部分もあり、言い逃れできない百合作品に仕上がっていました。
百合はあります。
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