【書評】運転者
今朝読了。
小説を読んだのは何年振りかもう覚えてないくらい離れていましたが、良い小説は感動しますね。
寝台列車で買い付けのためにバンコクまで10時間もあったので一気に読み終えました。
この物語のあらすじは、保険会社の営業マンが、成績が伸び悩んでいたところ、さらに沢山の解約が重なって人生どん底というところで、急にタクシーの運転手が現れて、彼の運を上げてしまうというストーリーです。
物語が進んでいくとどんどん引き込まれるのは、タクシー運転手との不思議な出会いと、その物語に出てくる運のシステム。
この物語では運は、ポイント制度になっていて、運を貯めることができて、貯めた運を使うことができるのです。
そしてその貯めた運を使ってタクシーに乗ることができるという話です。そのタクシーはその人の人生における転機を起こす場所に連れて行ってくれるというお話でした。
そしてたとえ貯めた運を使ってその場所に行ったとしても、機嫌の悪い顔をしてるとその転機自体を見逃してしまう。
またその転機はどのような形で自分に起こるのかはわからないということでした。
そして物語が進むに連れて世代を超えたポイントを貯めるお話になっていきます。
私は今まさにこの小説にリンクするような事を毎日タイでやっていて、自分の心にフィットしたのもあってとても感動しました。
仕事がうまくいかないと思ってる方が読むとヒントを得られるのではないかと思いました。
この本に書かれているポイントや運の話というのは、他者を幸せにすることで自分が幸せになれるという理想的な社会のあり方の話です。
「いつでもどこでも、明るく楽しくいることだ。いつでも、どんなときでもな」
これは主人公の上司から主人公に向けたアドバイスです。私も妻と一緒にタイで起業するにあたり尽力してきた中で、初めてのことだらけで当然壁は今も山ほど立ちはだかっています。
ですが、この本を読んでどんなに大変でもこれを忘れたら絶対にうまくいかないなと改めて思いました。私は自分の大好きな金魚を仕事にしようとしているのに壁が立ちはだかったからといって明るく楽しくできないならやる意味は無くなってしまいますからね。
とてもシンプルな言葉ですが私の心には突き刺さりました。
これも物語の中である人物が主人公に語った言葉です。
『自分のやっていることで誰かが幸せな気分になるって最高に幸せな瞬間ですから。そういうのを積み重ねる生き方がしたいんですよね。』
これって1番大切なことですよね。そう思って生きているとその人は幸せなのだと私は思います。かつてカメラマンをしていた時も毎日そのように思いながらシャッターを切っていました。
今もそういう気持ちで会社をやっています。
とても大切で素敵な言葉が散りばめられた感動の一冊でした。
この本に出会えたことに感謝!この作家の、本をいくつかすぐにKindleにダウンロードしておきました。
ご興味のある方はぜひ読んでみてください。
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