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親父の言葉
「まだ26歳、これからやな」
親父に言われた何気ない一言が意外にも
ぐるぐると頭を駆け巡っている。
もっと大人になって
もっと歳を重ねて親父と同じ
50代半ばになった時に
今の自分と同じ境遇の26歳に
言葉をかけるならポジティブな意味合いで
同じ言葉を言えるかもしれない。
でも何故かその言葉からは
親の期待が儚く散ったような
哀愁さが漂っていた気がする。
仕事を辞め、人生を見つめ直している
今の自分にはどこかネガティブな意味合いで
この言葉を受け取ってしまった。
「まだ26歳、これから...」
26歳を間近に控えた今
自分がまだ何者にもなれていないことを
ものすごく関節的に
直球の言葉で受け取ってしまったみたいだ。
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先日、親友の1人が結婚式を挙げた。
別の親友はもうすぐ自分の店をオープンさせ
高級車も買うらしい。
人と自分を比べて生きていかないと
決めて仕事を辞めたが
現実は何事もなかったかのように
他人の成功を目の前に見せつけてくる。
いつの間にか
子供の頃に思っていた“大人”の年頃になった。
中身は何も変わっていないと思う。
まだ好奇心と探究心だけを頼りに
生きている。
今からでも夢と理想と承認欲求を捨てて
“普通”に戻れるかもしれない
もう遅すぎるかもしれない
仕事を辞め、友人に夢を語り
環境を変えると同僚からは
自由で羨ましい。
憧れる。 と言われる
“憧れは理解から最も遠い感情”
少年ジャンプに出てきたあの名言が
ふと頭をよぎる
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親父は30年以上、
一つの会社で勤め上げている。
親父が26歳の時には
自分は生まれていたみたいだ。
「まだこれから」
いつか同じ言葉で我が子の力になるように
精進したい。
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