涙のROCK断捨離 81.THE_WHITE_STRIPES「ICKY THUMP」
ザ・ホワイト・ストライプス「イッキー・サンプ」/THE WHITE STRIPES「ICKY THUMP」
2007年
2000年代のオルタナティブ・ロック最強の2人組バンドです。
残念なことに、ホワイト・ストライプスは、このアルバムで10年間の活動に幕を閉じました。
このバンドを聴くと、ロックという音楽表現の広さと自由さを誇りたくなります。たったこれだけで、最高にカッコ良くて、最高に破壊力のあるサウンドが作り出せるのだと。
何がそんなにいいかというと、ギター、ボーカル、ドラム、全部です。
そして、これだけで全部なのです。
なにしろ、二人しかいません。
CDのクレジットには、
メグ・ホワイト・・・ドラムス、ボーカルズ
ジャック・ホワイト・・・ボーカルズ、ギター
とだけ書かれています。
つまり、たったこれだけしかない、これだけが、とてつもないのです。
曲の中には、他の楽器の音がするものもありますが、基本は2ピース・バンドであり、何層ものミックス・ダウンが施されたような作品とは違います。
現代の音楽になれた耳には、スカスカに聴こえてもおかしくない編成です。
そんな少ない音なのに、もの凄い迫力を持って迫ってくるのは、音自体の持つ圧力が桁違いだからなのでしょう。
決して技巧的ではないメグのドラムは、小賢しいことをせず、迷いがありません。バカボンパパの「これでいいのだ!」とばかりに、ドカバカと叩き、踏み鳴らしています。
そして何よりジャックのギターとボーカルは、このアルバムでも冴えまくっています。ギターの音色は、破壊的で狂気の色を帯びています。
このバンドに無いものは、実はたくさんあります。
キャッチ―で親しみやすいメロディ・ラインや緻密に計算されたアンサンブル、あんな音やこんな音、、、。
無いものを挙げればキリがありませんが、でも、このバンドに足りないものはありません。これが全てであり、これで全てです。
ブルースだ、カントリーだ、ハードロックだと、いろいろな影響から彼らの音楽はカテゴライズされますが、どれもしっくりきません。
私にとってザ・ホワイト・ストライプスは、ジャンルの枠に入らない、真のオルタナティブなのです。
Spotifyで聴けます。
https://open.spotify.com/album/77dc8fS3O8FaQjhbNASpgM?si=ebv5kHP_SLiDTEW7P9kl3w
写真の使用許諾に感謝します。
Photo by Matheus Ferrero on Unsplash