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涙のROCK断捨離 61.THE_PSYCHEDELIC_FURS「TALK TALK TALK」

ザ・サイケデリック・ファーズ「トーク・トーク・トーク」/THE PSYCHEDELIC FURS「TALK TALK TALK」
1981年

ヒット曲があるというのは、やっぱり強い。
サイケデリック・ファーズが、ポップ・ロックなイメージで見られてしまうのは、彼らの「プリティ・イン・ピンク」という曲が原案となった映画が1986年に公開されてヒットしたことと無関係ではないでしょう。
ただ、このアルバムが発売された時点では映画はありませんでしたので、当時の彼らの人気は、その音楽とファッション性にあったように思います。

パンク以降に名付けられた様々なロック・カテゴリーを私はうまく使い分けられないのですが、傾向としてはニュー・ウェイブとかアート・ロックに分類されると思います。
サックス・プレーヤーがいたことで、なんとなくロキシー・ミュージックを思い浮かべて、アートな感じがしていました。
ただ、激しい演奏は聴かせてくれますが、抑えきれない衝動があるというよりもオシャレな印象になったのは、当時の私にとっては逆にマイナスでした。数年後のヒットも、このバンドを遠ざける理由となり、あまり聴き込むことはありませんでした。
正確では無いかもしれませんが、音楽ファンからの評価も、それほど高くは無かったような気がします。それでも「プリティ・イン・ピンク」は誰もが聴いたことがあるほどヒットしましたので、彼らはこの時代を象徴するアーティストのように思われているかもしれません。そして、それはそれで外れてはいないと思います。

余談ですが、映画「プリティ・イン・ピンク」のサントラは、当時のロックシーンを反映していて面白いです。
オーケストラル・マヌーバーズ・イン・ザ・ダークや、ニュー・オーダーエコー&ザ・バニーメンザ・スミスなどの曲が並んでいて、もちろんサイケデリック・ファーズの「プリティ・イン・ピンク」も収録されています。

今、改めてこのアルバムを聴くと、ポップで聴きやすく、昔よりもずっと好印象でした。激しさの中に親しみやすさがあり、ノイズを響かせながら重くならないので、聴くシチュエーションを選びません。
少々、時代を感じてしまう音ではありますが、私には微笑ましく思えますし、センスも感じられるので、今でも聴けそうです。

Spotifyを見たら、驚いたことに新譜(2020年4月)が出ていました。
これを書いている時点では3曲だけでしたが、これがシリアスな雰囲気で非常に良い感じでした。
昔はイメージ先行で、ちゃんと聴いていませんでしたが、新譜はフルで聴いてみたいと思っています。

Spotifyでも聴けます。
私の持っているCDとは、曲数も曲順も違っていました。

写真の使用許諾に感謝します。
Photo by Max Ilienerwise on Unsplash