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日本の森、モリのニッポン紀行

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「延喜式」に掲載されている式内社をタイヤの太いFATBIKEという自転車で訪ねています🚲 2020年1月より140文字で巡拝記を書き始めました。 ・2020年12月6日〜(no…
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2023年7月の記事一覧

須波神社@山城國愛宕郡。

御手洗川と御物忌川が合流する川合い近くの岩上の小祠。上賀茂神社の「境内マップ」には「家・敷地を守る」とあり、祭神は阿須波神はじめ波比祇、生井、福井、網長井の神。小祠とはいえ重文。ちなみに上賀茂の須波が「阿須波」系に対し、下鴨社・河合社は「諏訪」系と対称的。
写真は京都府京都市。

須波神社@山城國愛宕郡。

北山の静原神社は山の麓にあって巨木に囲まれた古社。伊弉諾尊と瓊瓊杵命を祭神としており、由緒を見る限り「須波」から連想される「諏訪」や「阿須波神」との関係は薄い。一方、豊臣秀吉は静原の所領を下鴨神社に寄進。その下鴨神社境内の「三井神社」末社には諏訪社が鎮座。
写真は京都府京都市。

末刀神社@山城國愛宕郡。

下鴨神社境内を西側出入口に進むと、摂社前に修学旅行生の一団。稲荷社と隣り合う愛宕社(オタギノヤシロ)の鎮座地が末刀神社の旧跡という。「鳥邑縣纂書」に「愛宕社アリ、末刀ノ跡乎」とあるのが愛宕社旧跡地説の本命らしい。「式内社調査報告」には由緒も所在も「不詳」。
写真は京都府京都市。

久我神社@山城國愛宕郡。

大宮通と大徳寺通に挟まれた境内。拝殿前に立ち手を合わせるや雨が落ちてきた。社務所には賀茂系神社の神紋、二葉葵が一輪挿しに。粋な飾り。上賀茂神社の「境内マップ」によると航空・交通安全の神をまつる境外摂社。しかし一説に、賀茂一族の祖先神まつる「氏神ノ社」とも。
写真は京都府京都市。

小野神社二座@山城國愛宕郡。

崇道神社境内に鎮座する小野神社の小祠を参り後方の山へ。祭神・小野毛人の墓まで十分ほど。手を合わせながら「野生動物に注意」の看板思い出し胆を冷やす。下山して崇道神社御旅所の「おかいらの森」へ。こんもりした森は古墳のようだが「小野瓦屋」という国営工場跡地。
写真は京都府京都市。

賀茂波爾神社@山城國愛宕郡。

論社のひとつ「赤ノ宮」は下鴨神社の境外摂社。高野川と並走する大原通沿いに一ノ鳥居が立つ。境内奥へ向かい参拝の間、数人が手水横を流れ落ちる波爾井の御神水を器用に汲んでいった。もう一ヶ所の論社は賀茂別雷神社、中門内の土師尾社。論社が上下賀茂に分かれるとは。
写真は京都府京都市。

賀茂山口神社@山城國愛宕郡。

上賀茂神社でいただいた境内マップによると、賀茂山口神社に摂社の澤田社を当てている。「渉渓園」奥に鎮座し、社よりその前にそびえる樹齢三百年の立派なスダジイに目が向く。一方、山守神をまつった同境内の山森神社を当てる論も。社前をならの小川が流れる。涼やか哉。
写真は京都府京都市。

出雲高野神社@山城國愛宕郡。

下御霊神社が下出雲寺と関係するように、上御霊神社は上出雲寺趾に鎮座。前者は出雲井於神社の、後者は出雲高野神社の論社とされる。不運のうちに亡くなった神霊のなかに崇道天皇も。崇道天皇=崇道神社=上高野。期せずして上御霊神社で社名の「出雲」と「高野」が交差。
写真は京都府京都市。

出雲高野神社@山城國愛宕郡。

地下鉄鞍馬口駅南、烏丸通を東に入ると突き当りに鳥居が立つ。上御霊神社の門前町の風情。通りに面した北面の猿田彦神社。格子戸をのぞくと緩やかな立砂の奥に小さな社。「特選神名牒」はかつて出雲路神社と呼ばれてたと「出雲」説をとり、上御霊神社でなくこの小社推す。
写真は京都府京都市。

出雲高野神社@山城國愛宕郡。

瑠璃光院の先の細道は賀茂御祖神社の祭神降臨地へ向かうだけに、神妙に自転車を押して歩く。石垣上の境内に二棟の本殿と、周りを囲む板塀の中心に入母屋造の拝殿。下鴨神社の境外社が論社とされたのは、地名・上高野と高野川沿いという場所柄。視点は社名の「高野」側か。
写真は京都府京都市。

出雲高野神社@山城國愛宕郡。

八瀬の崇道神社境内には出雲高野神社含む式内社三社がまつられる。小祠となった出雲高野神社は本殿の右手に鎮座。愛宕郡四番目の神社にしては祭神や立地など不明な点多し。社名の「高野」に重きをおけば崇道神社がある上高野周辺が旧社地ということになる、とのことだが。
写真は京都府京都市。

賀茂御祖神社二座@山城國愛宕郡。

出町柳駅から高野川渡り糺ノ森へ。露店並ぶにぎやかな光景。今年も来ましたと賀茂の御祖に心で報告。干支の小社と本殿を参ると寒さで楼門前の焚き火に引き寄せられる。よき一年を祈り飲む「丹山」の升酒は最高の神酒。結婚後、下鴨神社が初詣の定番になったという話。
写真は京都府京都市。

出雲井於神社@山城國愛宕郡。

参拝前に手水に向かうと湧水を汲む人々。下御霊神社は式内ではないが九世紀創建と古い。「日本の神々」によると「京極東にあった下出雲寺の鎮守」で、天正十八年、現在地に移転。下〝出雲〟寺の鎮守だったこと、「井於」=井戸や霊泉の神をまつることで論社のひとつに? 
写真は京都府京都市。

出雲井於神社@山城國愛宕郡。

社名「井於」を字面のまま読めば〝井戸に於ける〟、井戸や水と関係ありと見てよさそう。「式内社調査報告」所載論社のうち比良木社と御手洗社は下鴨神社に鎮座。論社の是非は閑話休題。御手洗社の「足つけ神事」は御手洗池をろうそく灯して歩く。足裏は冷たく気持ちいい。
写真は京都府京都市。