コペンハーゲン市のごみ分別のデザイン
この記事シリーズでは、私がデンマークで見つけた「生活の近くにあるデザイン」を紹介する。
ただ見つけたものを紹介するだけでは味気ないので、私なりの見る基準を設けてみたい。
①は私が普段のデザイン業務で意識していること、②と③は私が考える、なんとなく今後デザインで大切になることを加えた。
「ごみ分別のデザイン」
私はコペンハーゲンに来てから、ごみを分別するときに迷わないことに気づいた。路上、一般家庭、公共施設にあるごみ箱が全て同じデザインロゴに統一されているのだ。おまけにそのデザインもかわいい。
コペンハーゲン市のごみ分別サイトがとても面白いコンテンツを展開していたので、上記の基準に沿って、みてみたいと思う。
① 以下4つがクリアである
目的
:市民にごみを分別してもらう(市民の環境意識を高める)
問題
:分別の種類が多い
洞察
:シンプルな分別ロゴデザインと関連するWEBコンテンツ
結果
:市民の環境意識が高まりアクションが生まれる(2022 年環境パフォーマンス指数 (EPI) 第1位)
② 人の感性に触れる要素がある
自分の行動(ごみをつくる、捨てる、リサイクルする)を省みるきっかけを与える。自分ごととして考えられるようにする。
③ 領域横断的である
行政が主体となり、様々な施設や一般家庭まで、そのルールが浸透している。
公共物からwebサイトまで、デザインのレギュレーションが統一されている。
コペンハーゲン市民にとっては、なんてことない日常の風景だと思うが、私はこちらに来て当初、あまりにも例外がないことに驚いた。ごみに関わるデザインが全て統一されている。何より、分かりやすい、これが一番である。
こちらに来て強く感じたことの一つが、公共物がとてもよくデザインされていることだ。今日の「ごみ分別のデザイン」の他にも、国や行政が関わる仕事でデザインされたものが本当に多くあると感じる。
デザインは情報をわかりやすく伝える方法の一つだと思うので、それを求める人の数が一番多い公共物がデザインされることは、とても理にかなっている。一方、日本はこの点なかなか進んでいないというのが個人的な意見で、逆に捉えると伸び代があると言えるのではないだろうか。
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