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ロシアのお正月料理2/3

2回目は、ミモザサラダ(Салат Мимоза)。
ロシアで最も有名で人気のあるサラダのひとつ。大晦日やその他の祝日にもよく食べられる。
サラダのレシピは特に決まりはない。食材もその地域や家庭で手に入れやすいもので調理する。ただし、具材の割合はほぼ均等である。
このサラダの特徴は具材を何層にも重ね、そして一番上の層には必ず黄身を載せる。サラダ表面の黄色くふわふわした感じは、「銀葉(ぎんよう)アカシア、または房(ふさ)アカシア」という木の花に似ており、一般には単に「ミモザ」と呼ばれる。サラダの名前は、この花に由来する。
 
基本の材料:
・焼いた/煮た魚
・ゆで卵
・玉ねぎまたは青ネギ
・マヨネーズ
 
追加の材料(あればなお良い)
・茹でた人参
・チーズ
・茹でたじゃがいも
 
彩りにディルを添える。塩こしょうで味を調える(お好みで)。
 
調理のポイント
・通常、このサラダは基本の材料にいくつかの具材を追加する。レシピによって、食材は組み合わせや使用する魚が異なる。層の順番もレシピによって様々である。ただし、一番上の層は必ず卵の黄身を使う。黄色いトッピングで「ミモザ」を演出するためである。
・魚は普通、鮭(サーモン)、カラフトマス、イワシ(サーディン)、サンマを使う。植物油漬けの魚の缶詰もよく使われる。サラダに入れるためには、調理した魚をフォークで細かくほぐす。缶詰を使う場合は、缶詰の汁を少し加えると魚肉がパサつかず、しっとりする。
・ゆで卵は白身と黄身に分け、別々の層で使う。
・卵の白身、茹でた人参、チーズ、茹でたじゃがいもは、粗みじん切りにするか、またはみじん切りにする。卵の黄身は目の細かいおろし金ですりおろす。
・玉ねぎを使う場合は、小さなサイコロ状に切るか、すりおろして魚の層の上に載せる。
・多くのレシピでは(すべてではないが)、各層にマヨネーズを塗る。
 
ミモザサラダ誕生の背景
このサラダの起源についてはほとんど何もわかっていない。しかし逸話によると、文献に初めて登場するのは1970年代初頭のソ連時代である。
1970年代当時、見た目の華やかさも相まって、祝祭の宴にはメインディッシュとして登場するほどの人気ぶりだった。このサラダの大きな利点は、高価な食材や外国の材料を使わなくても、どの家庭にもある身近な材料で調理できることである(ソ連時代は様々な食材が手に入りにくく、固ゆで卵、缶詰の魚、玉ねぎ、バター、マヨネーズだけで作られることもあった。家庭によってそれぞれのレシピがあるが、じゃがいも、人参、チーズを入れることが多い。クルトンを使う家庭もあるという)。
 
<レシピ1>
実演レシピは以下を参照ください。
https://www.youtube.com/watch?v=jLt8esj6rco
 
ロシアの料理サイトにもレシピ紹介ページがある。
https://gotovim-doma.ru/recipe/234-salat-mimoza-klassicheskaya
 
※レシピ複製版は以下をご参照ください。
材料
・サーモン、150 g
・卵、6個(固ゆで)
・チーズ、100 g
・茹でた人参、1本
・玉ねぎ、1/2個
・調味用のマヨネーズ
・調味用の塩
・風味付けのこしょう
・ディル
 
🍳作り方
🥩サーモン
サーモンステーキを冷水で洗い、ペーパータオルで水気をよく拭き取る。耐熱皿に載せ、両面に塩こしょうをし、表面に植物油を塗る。オーブンで180ºC、約20分焼く。焼き上がったら冷まして、骨を取り除く。
🥚卵
茹でた後、白身と黄身に分ける。白身は別のボウルにすりおろし、2つに分ける。黄身は目の細かいおろし金ですりおろし、別のボウルに取り分けておく。黄身は飾り用に少し残しておく。
 
ケーキ用の型を使って、各具材の層を作る。
🥗1層目:卵の白身
型の底に半分の白身を敷き、塩こしょうで味を調え、マヨネーズを塗り、少し押さえる。
🥗2層目:人参
茹でた人参を中くらいの目のおろし金ですりおろす。白身の上にすりおろした人参を敷き詰め、塩こしょうで味を調え、マヨネーズを塗る。
🥗3層目:チーズ
チーズを中くらいの目のおろし金ですりおろす。人参の上にチーズを散らし、マヨネーズを塗る。
🥗4層目:魚
魚を敷き詰める。
★薬味
・玉ねぎを細かく刻む(玉ねぎの量はお好みで)。
・ディルをみじん切りにする。
→玉ねぎとディルは魚の上に載せる。
🥗5層目:卵の黄身
黄身の一部はサラダを飾るために取っておく。残りの黄身は魚の上に載せる。塩こしょうで味を調え、マヨネーズを塗る。
🥗6層目:卵の白身
最後の層は残りの白身。塩で味を調え、マヨネーズを塗る。
 
慎重に型から外す。枝付きのディルを飾り、ミモザの花を象徴する黄身を散らす。
※サラダは冷蔵庫で寝かせてもいいが、新鮮な方がずっとおいしいという。冷蔵庫に入れるとサラダは少し重くなる(もちろん好みによる)。
 
<レシピ2>
実演レシピは以下を参照ください。
https://www.youtube.com/watch?v=m1jz6yGn93M
 
ロシアの料理サイトにもレシピ紹介ページがある。
https://gotovim-doma.ru/recipe/18846-salat-mimoza-na-lyuboy-prazdnichnyy-stol
 
※レシピ複製版は以下をご参照ください。
材料
・茹でたじゃがいも、400g
・茹でた人参、350g
・玉ねぎ、1個
・ゆで卵、5個
・魚の缶詰、300g
・マヨネーズ、100g
 
🍳作り方
①    茹でたじゃがいもと人参を別々に、目の粗いおろし金ですりおろす。
②    玉ねぎをみじん切りにする(アクを抜くには熱湯で茹でるとよい)。
③    ゆで卵を黄身と白身に分ける。白身は目の粗いおろし金ですりおろす。
④    ボウルに魚の缶詰を開け、フォークでよくつぶす。
⑤    サラダを成形する(ここでは20㎝の型を使用。以下、層になるよう並べていく)。
🥗1層目
ジャガイモ+マヨネーズ
🥗2層目

🥗3層目
玉ねぎ+マヨネーズ
🥗4層目
人参+マヨネーズ
🥗5層目
卵の白身+マヨネーズ
🥗6層目
細かくすりおろした卵の黄身
⑥    一番上にディルを飾る。
 
出来上がり!

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