マガジンのカバー画像

こらむ紗水式――細かいことはどうでもええんじゃ――

30
自称アマチュア物書き兼ピコ手文芸サークル「頌櫻堂書房」主筆・紗水あうらによる、ノンジャンル・ノンタブー・ノンフィクションのコラムデスマッチマガジン「こらむ紗水式」、note上に創…
運営しているクリエイター

#ウォーゲーム

「東大安田講堂強襲」と新左翼の略史

先日のゲームマーケットでついに出た「東京安田講堂強襲」である。

前作である「東大紛争1968-1969」は戦略級としてデザインされており、東大闘争だけではなく日大闘争を含めた歴史としての学生運動が描かれていたが、今回はタイトルにある通り1969年1月18~19日の二日間に於いて発生した、いわゆる安田講堂事件がシアターとなった戦術級としてデザインされているのだが、戦術級と言うわけで登場するユニット

もっとみる

在りし日のウォーゲーム黎明期と日本の「反戦と戦争アレルギー」

TwitterのRTで拝見させていただいたブログの記事が興味深かった。

ああ、そうだそうだ、と膝を打った。この記事でも言及が有る「フジ三太郎」には記憶が有った。うちは伝統的に朝日を取っていたので、当然私も朝日を読んで育ったのだ。その割には左にも親中派にもならなかったし、両親は「単純に組版が一番見やすい」と言うだけの理由で朝日を取っていた。

そんな中にふっと現れたこの記事が新聞紙上を飾ったころ、

もっとみる

ウォーゲーム「太平洋の土下座」のカリカチュア

え、2日続けてウォーゲームの話するんですか紗水さん、って?

3日続けて世間に怒ってたんだから趣味の話させろ。

と言うわけで、2つ購入したもう一つのゲーム、「東大紛争」でも取り上げたジブセイルゲームスさんの「太平洋の土下座」である。

マップは昨日取り上げた「PACIFIC GO」とも似ている。そう、お互い実は、アバロンヒルのパシフィックシアター物としては屈指の出来と誉れ高い名作「Victory

もっとみる

ボードゲーム「PACIFIC GO」がちゃんとヒストリカルな理由

先だって私は、ウォーゲーム「東大紛争 1968-1969」について触れたわけだけれども、それ以外にも注目すべきゲームは同人界隈からも続々発表されているのが近年のボードゲーム界の恐るべきところである。そんな中、元々私の大好物、もとえ主専攻である西太平洋シアターのゲームも発売されている。いくつか候補はあるが、取り敢えず今回は2つほど通販にて入手した。そのうちの1つが、今日ご紹介する「PACIFIC G

もっとみる

ウォーゲーム「東大紛争」から見た、あの日の景色

ジブセイルゲームスさんと言う、いわゆる同人でアナログゲーム(非電源系ゲーム、ボードゲームとも言う)を制作されているサークルさんから、5月6日のゲームマーケット2018春にてリリースされた戦略級ウォーゲーム「東大紛争」が、思いの外奮っていた。

私自身はTRCで文学フリマ東京が有るため、購入は知人代行と言う形でお願いをして入手することができたので、先日の日曜に4人集めていただき(何から何までお世話に

もっとみる