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情報を届けきるために 広告と広報

ここまでのリサーチでわかったことはこちらです。
(事前リサーチ▶https://note.com/sameya/n/n1a4c37738f25 )

  • そもそも地域の中でチームが認知されてない。しかし、人間関係や地元愛が強い地域性。ここに訴えかければ逆転可能?!

  • せっかくの区民無料招待も周知が不十分。SNSアカウントのみでは不十分・・・

  • 来場者にとってのシャークスの魅力は、スタジアムでの体験型イベントやフードなどのコンテンツ。

Xデーである最終戦までおよそ1ヶ月。
チームが用意してくれていた区民無料を中心に、集客施策で重視する事を2つに絞り込みました。

  1. 一人でも多くの江東区民に、多角的に情報を届ける

  2. 無料でも魅力が無ければダメ。ラグビー知らない人でも、来たくなる!そんな魅力をちゃんと整理して打ち出すべきものをコピー化する

情報を多角的に伝える戦略とは

1人でも多くの地域住民に届けるために、広告的手法とパブリシティ(広報・PR)の手法を織り交ぜることにしました。広告で露出量を担保して、パブリシティでその情報に第三者からのおすすめによる信頼感を乗せるイメージです。
広告は、ポスターとSNSを使いました。(ここでは地元の名士たちが大活躍してくださり、町中にポスターが溢れました)
パブリシティでは、地域メディアに焦点を絞り、取れるだけ取りに行くといくことを目指しました。

魅力の深掘りと伝わるコピーを考える

ヒアリングの結果、日常的にラグビーの情報に触れている人は、チームの存在を知っていましたが、ラグビーの観戦も含めた経験がない人には、存在すら知られていませんでした。
さらに考えてみれば、ラグビーを知らない人にとっては、ラグビーそのものの魅力だってわかりません。そんな未知のスポーツの全く知らないチームが提供する試合を無料だよ!と勧められても、なぜ行かなければいけないのか?その理由が無いように思いました。
 
でも我がチーム(正確にはわがホームゲーム)には、あるんです。ラグビー未経験の人たちでも楽しそう!と思ってくれそうな、魅力が。ファンの方から教えてもらった、すごい魅力が!
それは、ヒアリングでわかった、試合以外のコンテンツが充実していることです。

  • ふわふわの芝生

  • おなかが減ったら、ココでしか食べられないスタジアムグルメキッチンカー(サメバーガー笑)

  • サメの巨大フォトスポット

  • お子様からお年寄りまで楽しめて観戦グッズをもらえる、無料のミニゲーム

  • ラグビーの試合も観られる!

こんなに盛り沢山!
こんな施設を一言で表すならば、なんだろうな?うーん。夢の国?それだと少しハードルが高いような…笑。そこでSAMEYAは、気軽さも込めて「楽しい公園」と表すことにしました。

以上を踏まえて、今回のメッセージとして打ち出すべき区民の方への誘い文句は、下記のようにしました。
×「ラグビーを見に来てください!」
〇「コンテンツ一杯の楽しい公園に遊びに来てください!」

つい足を運びたくなるポスターとチケットを考える

ポスターは、あえてラグビーを出さないように魅力を整理し、それをデザインに落とし込みました。

実際の提案資料から抜粋

ポスターデザインに込めたこと
◆ふわふわの芝生でピクニック気分で試合も見られる
◆おなかが減ったらココでしか食べられないスタジアムグルメ
◆みんな楽しめて景品も充実のミニゲーム
◆サメのフォトスポット
◆さらにはかわいいゆるキャラも!

フライヤーは、「無料チケット型」に。
夏休み前に小学校でもらった大恐竜展!みたいなチケット覚えていますか?無料で勝手に配られたものだけど、なんか捨てるのはもったいなくて行きたくなりませんでしたか?そんな心理を狙いました。
ポスターで目線をとり、その下に無料チケット型フライヤーを置いておくことで、実際に来てもらえる確立が上がる事を狙いました。

実際の提案資料から抜粋

実際には、チームの事情もあって100%この通りにポスターとしては仕上がりませんでしたが、街中がポスターで溢れるように!
さらにチケットは、地元の名士の方々が、手配りしてくださったのをきっかけに、ただ置いておくよりも重みが増し、集客にはものすごく効果的に働いたように思います。

商店街の掲示版に
(地元のラグビー応援団の方のお写真を拝借しています)
住宅街の掲示版に
(地元のラグビー応援団の方のお写真を拝借しています)
飲食店の軒先に
(地元のラグビー応援団の方のお写真を拝借しています)
公園の横に
(地元のラグビー応援団の方のお写真を拝借しています)

ひとびとの背中をおす パブリシティ

次に取り組んだのが、パブリシティです。
なぜ、ポスターだけでは物足りないのか?それに関しては、想像してみたらわかります。めちゃくちゃまずそうなラーメン屋。その前を通りかかった時、店員に「うまいよ!うまいよ!」と言われたら、どのくらい行きたくなりますか?

一方で、同じお店の前をよくご飯に行く仲のいい友達と通りかかった時、「あの店、見た目はまずそうだけど、実はめちゃうまいんだよ!今度行こう!」って言われたら、どうでしょうか?

後者は、少し心配になるものの、思わず、「うん!」と言いたくなりませんか?そこまでいかなくても少し気になりませんか?この何とも言えない微妙な差を作り出すのが、パブリシティだと考えています。

今回は、とにかく地域の住民に試合に訪れてほしかったので、地域内のメディアに絞りました。ただし、ここでも発信すべきは、「ラグビーを見に行こう」ではなく、「楽しい公園へ行こう!」がメインです。

例えば、選手に出演していただいたラジオ番組。
「ラグビーじゃないところをメインに押してください!」というお願いをしました。ラグビーを含めたマイナースポーツは、やっているチームや選手側からすると「最高やん!」って思う反面、その魅力が十分に伝わってない気がして、思わずアツめに伝えてしまう・・・。その気持ちめちゃくちゃわかります。SAMEYAもラグビー部だったのでラグビーのいい所は100000個言えます。
ただし、その愛をストレートに表現しようとするのはもったいない気がしたのです。

まだ何も知らない潜在的なファン層に話しかけるときは、自分のスポーツへの愛は言いたくなる気持ちをぐっと押さえるのが、吉です。
よく、スタジアムに体感しに来てください!とか、見に来ればわかる!やればわかる!と言いがちですが、厳しい言い方をすると、やる理由がない。見に行く理由がないのです。

これは立場を変えれば簡単で、みなさんも全く興味のないものを試してみて!と言われた経験はありますか?
例えば、恋愛関係。相手は自分に全く興味ない!でも距離を近づけたい!
そんな時に、「デートに行けばわかるから、行こう!」なんて言えるのはローランドぐらいじゃないですかね。笑
必死に相手が好きな食べ物とかスポットとかで釣りませんか?笑

それと同じだと思います!もちろん、ラグビーにも来ないとわからない魅力はたくさんあります。選手の体のでかさ、当たりの激しさ、ぶつかる時の音…など。でもそのスポーツを見たことない、興味ない人からしたら、それをいくら語られたところで行こうと思う理由にならないのです。

実際の提案資料から抜粋

少し話が脱線しましたが、最終的に、映像、WEBメディア、ラジオ等、全部で5件の取材につなげ、地域メディアへ下記のように掲載頂きました。

・地域ネットメディア×2(とよすとさん/タウン誌・深川さん)
・スポーツ紙のWEB媒体(スポニチプラスさん)×1
・コミュニティFM(10分)(Rainbowtown FMさん)
・江東区の区報番組(5分)(区政情報番組「江東ワイドスクエア」

この「広告×パブリシティ」作戦で、
集客が600人程から、2000人オーバーに!
大幅に集客数を増やすことができました。
たくさんの人で埋まるスタジアムは圧巻の風景でした。

Sports NAVIさんの試合記録より抜粋
ラグビー初観戦の方もたくさん!(写真提供:ファンの方)
キッチンカーエリアはどの店舗も大行列!(写真提供:ファンの方)

次の記事では、短期的な集客ではなく、これから地域に存在する価値のあるチームになるために、地域とどのようなつながりを作っていったのか、まとめました。

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