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美容にも効果アリ?ヒルドイドの特徴について

アトピー性皮膚炎の方にとってとってもつらい「かゆみ」。
かゆくて掻きむしってしまうと、皮膚が荒れてまたかゆみが強くとなるという負のスパイラルがあります。

そこで抜群の保湿効果をもつ「ヒルドイド」が処方されることが多いですよね。

このヒルドイドの特徴について、今回はまとめてみたいと思います。

ヒルドイドの成分

ヒルドイドはマルホが製造販売する血行促進・皮膚保湿剤です。
この製品の成分は「ヘパリン類似物質」です。
「ヘパリン類似物質」は保湿作用と血行促進作用をもち、皮膚の乾燥性症状を軽くし、使用部位の血行を促進し、血行障害に基づく痛みや腫れを軽くすることができます。

美容効果?

お肌のハリを評価する指標の一つに角質の水分量を測定する方法があります。実は、ヒルドイドの臨床試験において、角質水分量の変化量を様々な薬品と比較したデータがあります。

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上記のデータは、A/E/W処理という、疑似的に皮膚を乾燥させる処理を行った後の角質水分量を継時的に測定したデータです。
ヒルドイドは、角質水分量の増加が多いため、美容効果がうたわれています。しかし、これは本来の使用法とは異なります。なので、美容目的でヒルドイドを医師に処方してもらう行為は控えましょう。

①ヒルドイド®クリーム0.3%

良好な展延性を有するクリーム剤(水中油型の乳剤性基剤:O/W型)です。
患部を覆う力があるため、手や腕など、比較的限局された部位で使用されることが多いです。クセが強くないため季節を問わず使用されます。

②ヒルドイド®ソフト軟膏0.3%

良好な展延性及び被覆性を有するクリーム剤(油中水型の乳剤性基剤:W/O型)です。
クリームと同様に患部を覆う力があるため手や腕など、比較的限局された部位で使用されることが多いです。ややべたつきがあります。乾燥の強い冬などは特にお勧めです。ただし、夏はべたつきから不快感を感じることが多いかもしれません。

③ヒルドイド®ローション0.3%

展延性に優れ、広範な患部に使用しやすいローション剤(水中油型の乳剤性基剤:O/W型)です。
さらさらとした使用感で展延性に優れているため、広範囲への塗布がおすすめです。

④ヒルドイド®フォーム0.3%

展延性に優れ、広範な患部に素早く塗布することができるフォーム剤です。患部を覆う力は弱いですが、べたつき感が少ないため使用感が良いです。ヒルドイドローションと似ておりますが、泡状おため液だれしないのが特徴です。

使用量の目安

使用量の目安としてFinger Tip Unit(FTU)を用います。
1FTUは、「大人の手のひら約2枚分の面積を塗るのに適した量」です。

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製剤によって1FTUの目安量は異なります。
軟膏・クリーム・ローション剤は、約0.5gとなりますが、
フォーム剤については、約1gが1FTUとなるため注意が必要です。

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使用量の目安:成人の場合

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使用量の目安:小児の場合

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まとめ

・広範囲への塗布は、ローション剤又はフォーム剤がおすすめ。
・患部を覆う力が強いのは、クリーム剤やソフト軟膏。
・フォーム剤はやや多めに使用しましょう。

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