猫の災難
今日も孤独なネットという海の中
一人でさまよっている。
顔も見えない貴方達に向けて毎日文字を打つことに次第に疲れてきてしまったんだ。
いったい誰が見てるんだろう。
僕の声は届いているのかい?
問いかけても返答はない。
ただひたすらネットという海の中をさまよっている。
こんな名前もまだないに等しい芸人という肩書きだけがついたやつの書く
ブログという名の魚を誰が食べたいというのか。
けどそんな時
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この文字を見るとなぜか落ち着くんだ。
見てくれてる人がいる。
待っている漁師がいる。って
だから僕は今日も泳ぐ。
ネットという海の中を今日もひたすら
ぶさいくでも泳ぎ続けるんだ。
今日の落語という名の泳ぎ方は『猫の災難』
ある男が長屋に住む大家さんから
猫が食べた後の鯛の頭と尾をいただく。
鯛の頭は煮付けにしたりすると美味しいし捨てるにはもったいない部位だからね。
そこに友達が昼から酒を飲もうじゃないかと遊びに来る。
飲もうと言っても男はお金がないから無理だと断る。
すると友達が台所にある鯛の頭と尾を見て鯛が丸ごとあると勘違いをするんだ。
あんな立派な鯛があってツマミに出してくれるなら酒くらい俺が上等なものを買ってくるって言って、勘違いしたまま酒を買いに行ってしまう。
男は困った。
そうだろ?鯛は頭と尾しかないんだから。
そこで隣の猫が鯛を三枚におろした時に目を盗んで持って行ってしまったことにする。
友達が酒を持って帰ってきた。
用意していた言い訳をする。
するともう鯛の口になってるから今度はしょうがないから鯛を買ってくるなんて言うんだ。
哀れな友人。
彼はとてもいいやつなんだが人を疑うことを知らない。
そうして部屋には男と上等な酒だけが残った。
友達が鯛を買ってくるまでに少し時間があるから味見だけしようと酒を、、、
まあ味見ですむはずもなくすべて飲んでしまう。
どうして落語に出てくる馬鹿は後先を考えないんだろうね〜
そんなこともつゆ知らず友人が鯛を持って帰ってくる。
酒が空だ、、、
どうする?!
そう。猫が飲んだことにする。
猫は災難だね。
こんな感じのお話。
この酔っ払いの男を柳家権太楼師匠という名の大魚が演じると腹を抱えて笑ってしまうんだ。僕は。
ぜひ聞いてみてくれ。
明日紹介する落語という名の泳ぎ方は『へっつい幽霊』
明日も顔見せてくれると嬉しいな。
たまにはこんな気分でもいいだろ。