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-恋占い-

恋をした相手が東京へ帰っていった。

始めから遠距離恋愛。

ならまだいい。

交際を始めたわけでも、相手に告白されたわけでもない。

この状態を、片想いと言うのだ。

都合のいい女に成り下がっただけかもしれない。

でも、それでもいいのだ。

なんの取柄もない離婚歴のあるアラフォー女を相手にしてくれる男がいることを身を持って知ることができて、一瞬でも恋のときめきを感じることができて、自分がまだ一人のオンナであることを実感することができたから。

まだ大丈夫。

私はまだ大丈夫。


数年前から節目節目に相談に行く占い部屋がある。

占いで私の性格を知っているその先生は、星座や手相やカードからの結果だけではなくて、人としてのアドバイスもくれる。

耳触りのいい言葉だけではないから信用できると思っている。

とはいえ、全部が全部言われたことを鵜呑みにして行動するわけではない。

元旦那と出会った時に初めて先生の元を訪ねたが、私達の相性は決して良いわけではないと言われていた。

それでも結婚を決めた。

私が離婚することに対してはあまり積極的ではなかった先生から、別れるならこの日までに決着を付けなさいと言う時期を教えてもらった。

離婚する選択は自分でした。

自分の中に強い気持ちがあれば、従うのは占いや人の言葉ではなく自分の心でしかない。

ただ、離婚する最適な時期を逃さずに済んだのは、先生のおかげだと思っている。

もちろんそれが最適だったのかどうかなんて比較しようがないわけだけど。


今回もまた、新しい男性とのことを占ってもらうと・・・。

東京の人は「その時楽しければいいぢゃん」というスタンスで器用に自分のテリトリーを作れる人らしい。

東京と地元、それぞれの場所でそれぞれの女。

現地妻予感の的中。

「運命の輪」の逆位置に「悪魔」の正位置、「隠者」の正位置に「太陽」の正位置。

今、私の周りにいる人たちと真面目な交際に発展する可能性は低そうだ。

でもいずれ、長く付き合える人との出会いがある。

それまでに、今自分が抱える問題を軽くしておこう。

新たな恋の予感も、こうして冷静に見てもらうと潔く引ける。

まだ彼への気持ちがそこまで育っていなかったから良かった。

自分の中に生じた違和感は無視することはできない。

認めたくない現実から目を背けて結論を先送りにして、何を得られるというのだ。

出産のリミットは待ってくれない。

だから次へ行こう。

グッバイ東京。


と、こうして理由を並べて正当化して、やっていることはただの男漁りか。


私に幸あれ。





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