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姉妹を引き裂くのはー『アイアン・ラング』

SAMANSAのクリエティブレーベルSSTRUCKによるオリジナル作品
第一弾として制作されたのが4つの短編作品!

4月26日に公開された映画『バルーン』に続いて、
今回ご紹介する2つ目の作品が
5月10日公開の映画『アイアン・ラング』

それは、ポストポリオ症候群を患い「鉄の肺」で生活する女性が、停電により命の危機に迫られる物語。

難病を取り扱うにあたって、スリルがこの作品の一つの魅力。
どんな人にもその苦しみや危機を体感させるような作品です。

そんな注目のオリジナル作品について
映画の背景撮影の裏側
また監督の独占コメントなどなど!

ここでしか見られない映画の貴重な情報をお届けします!🎬


〈タイトル〉『アイアン・ラング』
〈監督〉Andrew Reid
〈作品時間〉12分21秒
〈あらすじ〉1950年ごろに流行したポストポリオ症候群によって、「鉄の肺」と呼ばれる巨大な装置で呼吸をする1人の女性。ある日、嵐により装置の電源が落ちてしまう。姉が救急車を呼ぼうとするも嵐により出動できない。 妹の命を救うために奮闘するも、厳しい展開が彼女たちを待ち受けていた。

SAMANSA

● 背景:流行したポストポリオ症候群

大きなドラム缶のような機材に入る、この作品の主人公の女性。
彼女が入っているのは、ポリオやポストポリオ症候群の患者が使用する
鉄の肺」というもの。

1950年代のアメリカで流行したポリオ(急性灰白髄炎)は、
神経に影響を及ぼし、全身の麻痺や呼吸困難などといった後遺症(ポストポリオ症候群)を残す感染症です。
ポリオ患者の60%が後遺症に直面すると言われています。
主に感染リスクが高いのが子供であったことから、大人になってポストポリオ症候群と戦う患者が現在世界中に存在します。

アメリカでは、1952年に感染者がピークに達しました。
当時の感染者数は5万7628人
その内、後遺症が残った人は2万1269人

ワクチンの使用が開始された1955年以降、アメリカでのポリオ感染は1979年に消滅したと言われています。

しかし、医療機関の研究が進んだ中でも未だにポリオの治療法は解明されていないのです。

そんな中、呼吸気管の麻痺障害を患ったポリオ患者のために開発されたのが今回の作品で登場する「鉄の肺」なのです。

映画の中では、台風の停電によりこの「鉄の肺」が停止してしまいます。
その危機的状況は、誰もが恐怖を味わうような作品のように感じます。

きっとこの作品を通して、ポリオやポストポリオ症候群などといった難病についてより多くの人が知るきっかけになることでしょう。

● 監督:身体障害を患った実力派

今回メガホンをとったのは、様々なフィールドで活躍するアンドリュー・リード監督。

ジャマイカで生まれた彼は、10歳の時にアメリカに移住。
南カルフォルニア大学の映画芸術学校で優秀な成績を収め、
卒業後は、Paramant Picturesなどを含む大手制作会社に務めながら数々の短編映画を制作。

アンドリュー監督の作品は、これまで沢山の賞を受賞した上、80以上の映画祭で上映されました。

彼の監督としての実力は全米に渡って認められ、近年ではNAACPイメージ・アワードなどといった授賞式でノミネートされました。

そんなエンターテイメント業界で着々と成功を収めてきた
アンドリュー監督の人生のターニングポイントとなったのが、彼が大学4年生の21歳の時でした。
当時、血管の奇形(AVM)により背骨が圧迫され完全麻痺を患ったのです。

一時歩く力を奪われたアンドリュー監督は、リハビリ期間に様々な身体障害を持った患者と出会ったと言います。
彼らが前向きに前進する姿に影響された監督は、その後身体障害や様々な多様性に着目した作品を制作し続けてきました。

今回の映画『アイアン・ラング』でも
身体障害者コミュニティに捧げた想いが込められていたと語ります。
自身も身体障害を患ったことから、作品を通して身体障害コミュニティに光を当てたいと、常に考えている監督。
この物語で描かれる、身体障害を患った患者とその介護ををする親族の関係に惹かれたそうです。

脚本を書いたヴィー・サイエも、
身体障害を含む、年齢や人種などの様々な偏見を崩したいという想いが今回の物語に繋がったと話します。

身体障害について世に広めるだけでなく、オープンに表現し描くことで
偏見を覆し多様性を主張することが監督が目指すものだったのでしょう。

● セット:込められた大切な想い

身体障害コミュニティに強い思いを抱いたこの作品。
そこには、監督の想いだけでなく様々な人の想いや協力も込められていたのです。

中でも注目するべきなのが、映画のセット
主人公が暮らす古風でどこか懐かしいお家。
そこに飾られたデコレーションなどを造ったのは、監督によって集められた身体障害を持ったアーティスト達だったそうです。

さらに、今回のセットで欠かせなかった主人公が使用する「鉄の肺」は、
以前身体障害を患っていた女性が、倉庫に保管してあった
実際に使用した「鉄の肺」を撮影用に貸してくれたそうです。

このように、たくさん人の想いと協力が込められてできたこの作品。
ポストポリオ症候群など、様々な身体障害がこの世に存在する中で、
今回のような作品は、難病について世界中に知ってもらうだけでなく
映画を通してでしか体感できない難病と戦う世界を主張しているのではないでしょうか。


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