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【夢のSF物語で終わるのか】 映画『インテリジェンティア』の世界に魅せられて

みなさん、SF映画は好きですか?

SF映画といっても色々な種類がありますよね。
エイリアンとの交流、宇宙戦争、タイムマシン、ディストピア世界…。

夢のあるものから、人類の生命を脅かす恐ろしいものまで
その物語は多岐に渡ります。

今回は、そんなSF映画の中でも、
わずか11分ながらにして斬新なシナリオで観客を虜にした
ショート映画『インテリジェンティア』の作品解説をご紹介いたします!

いまひとつオチがわからなかった…という方も
この作品の意味や、ちょっとした仕掛け、そしてA.I.の世界についてほんのり知れる記事となっていますよ。

今回もネタバレを含んでおりますので、ぜひ視聴されてからの閲覧をおすすめします!

***

A.I.がA.Iをみる世界

コミュニケーション能力が高すぎるA.I.を描いたこちらの作品。

主人公のリサは人工知能の暴走を防ぐために設置されたA.I.制御部門で、
担当アシスタントを務めています。

ある日リサは、アランという人物に呼ばれ、
SIAという会社のお手伝いA.I.と対話することに。

ユージーンと名乗るA.I.と会話を進めていくリサ。
あまりに自然でリアルな話し方をするユージーンに驚きつつも、
A.I.を精査する立場として、ユージーンの能力を観察しようとします。

しかし、だんだんと会話の主導権を握られていき…

しまいには、自分自身がA.I.であるということを告げられてしまうのです。

つまり、この作品において、リサのいる世界やリサたちの存在そのものは
A.I.であった
、ということになります。

作品の冒頭で、アランがリサに対し、

もうすぐ再起動だ。準備はできたか?

と意味不明な挨拶をしていたのも、リサがA.I.であるという視点から見れば自然に出てきた言葉だったのかもしれませんね。

それにしても、自分が現実だと思って生きていた世界が、
実は存在していなかった…という最後のオチはとてもぞっとしました、、。


私たちの世界の「現実」とは

でもこうした世界観、ただの映画の中の作り話ではないかも?しれないのです。

ここからは少し、映画の中の設定とは離れるのですが、
みなさんは「シュミレーション仮設」という考えをご存知ですか?

これは、人類が生活しているこの世界がすべてコンピューターシュミレーションの一部であるとする考え方です。

最近では、あのイーロン・マスク氏もこの説に賛成していることなどからも、注目を集めてきているそうですね。


そして、この考え方を仮定するためには、いくつかの条件があるそうなのですが、このうちの一つが、「意識や文明のシュミレーションが可能であること」だそうです。

映画の中でも、ユージーンがタイプ4のA.I.、つまり「意識を持った存在」であると明かされていました。

実際、数千の人間の意識をシュミレートするのは難しいように思われますが、理論上の巨大構造物として、それらを処理することのできるコンピューターの構想もあるそうなんです。

そして、いくつかの時代に存在するそれらの人間の意識のすべてを再現することができれば、「文明」をシュミレートすることが可能なんだとか、、

そうすると、私たちの生きているこの世界も、
リサの世界と同じように、シュミレートされた世界かもしれないのです…。

かなりややこしい話ではあるので、もう少しちゃんとした解説を知りたい!という方は、ぜひこちらの記事などを参考にしてみてくださいね。↓

https://nazology.net/archives/55171


やはり、SF映画で描かれる世界はとても奥が深いですよね。

もはやこれらの世界が、Science-Fiction(フィクション)では無くなってしまう日も、そう遠くはないのかもしれませんね…。


監督の遊び心溢れる仕掛けの数々

そして、この映画の見どころの一つは、なんといっても様々な仕掛けがあるところです。

実はこの映画に登場する「アラン」や「エライザ」、「ユージーン」などといった人物名は、すべてA.I.や機械学習にまつわる名前になっているんです!


1950年にAlan Turing(アラン・チューリング)氏が提唱した「チューリングテスト」では、人間と機械、人間と人間同士の会話を評価することによって、いかにその機械が人間の真似をすることができるかを判定するテストが行われ、「ユージーン」という13歳の少年を想定した人工知能が、初めてこのテストに合格し、「人間である」と判定されました。

また、「エライザ」は、1966年にジョセフ・ワイゼンバウム氏によって発明された、初期のA.I.チャットボットのことを指しています。

さらに、エンディングで流れていた音楽は、英国のシンガーソングライター、ハリー・ダグレ作詞作曲の「Daisy Bell」という曲です。


こちらの曲、実は1961年にアメリカのベル研究所において、
IBM7094と呼ばれる当時の大型汎用コンピューターが演奏し、
世界で初めてコンピューターによって歌われた歴史的な歌」としても知られています。

もしかしたらもうお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、
なんとあの有名SF映画、「2001年宇宙の旅」(1968)の劇中でも
この曲を歌うシーンが使われているんですね。


登場人物たちの名前やエンディングの曲にまで、A.I.に関係しているとは
なかなか粋ですよね!

そんな、最後の最後まで遊び心満載な映画『インテリジェンティア』を、
ぜひSAMANSAでお楽しみください!


参考:


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