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映画「僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46」のOUTTAKEを観た感想

長濱ねるが卒業する時に言っていた「心が空っぽになってしまった」という言葉の意味がようやく分かったような気がした。


アイドルという職業は「できないこと」をやり続けなければならない。

「できる」、「できない」ではなく「やるか」、「やらないか」しか選択肢がない。

だから、アイドルを見てると前向きになれる。

何故ならアイドルが前向きだから。

アイドルは普通の人生では味わえない感情に出会う。

何故なら、「やるしかない」から。

そこで、ファンが成功しても失敗しても「ありのまま」を見てくれれば何も問題はないが、そうはいかない。

ファンは完璧を求めている。

100か0でしか判断できない人からの誹謗中傷は避けられない。

欅坂46の不安定さの最大の理由は、ファンの求める理想とメンバーの現実との乖離が大きすぎたからだと思った。

ファンが求める理想が高いのは、平手友梨奈の圧倒的な熱量に呼応するものだ。

ファンが平手友梨奈を求める限り、アイドルはビジネスなのだから運営はセンターを変えられない。

それに加えて、次にセンターを任されたメンバーに向けられるヘイトが凄まじいことになる。

欅坂46は、平手友梨奈の完璧主義な、作品に向き合う姿勢が生んだ群を抜いたパフォーマンス力を得ることと引き換えに、簡単にセンターを変えられない硬直した体制になったという、皮肉な結果となっていった。

20歳前後の少女たちの行動は間違って当然なのに世間はどこまでも正解な行動を求める。

というか、それしか認めない。

それぞれが持っている勝手な正解に当てはまらなければ、簡単に心ない言葉を飛ばす。

ありのままを見てはくれない。

そんな言葉達に心を削られながら、「できて当たり前」の世界で走り続けなければならない。

心が空っぽになるのも当たり前だ。

本当に応援をしたいファンにとって出来ることは一つしかないと思った。

それは、事実と事実の間を想像じゃなく出来る限り事実で埋める努力をすることだ。

「嫌い」や「苦手」、「不信感」はただ「知らない」だけであると、強く思った。

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