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介護離職って、介護職の人が仕事を辞めちゃう事?介護のゴカイ③

「介護離職」という言葉を始めて聞いた時は、「ああ、介護の仕事は大変だっていうから、介護職の人が仕事を辞めちゃうことを言うんだろうな」と勝手に思っていました。正しくは、「親などの家族の介護と仕事の両立が難しくなって仕事を辞めてしまうこと」です。
1年間に「介護・看護のために」前の職を離れた人の数は平成29年で約9.9万人です(総務省の平成29年就業構造基本調査)。これから先、さらに高齢者人口が増加していく日本においては、なんらかの対策がないかぎりは介護離職者はさらに増えていく事が予想されます。
なぜ、介護離職者が増えていくのでしょうか。原因として考えられる事として、まずは、介護についての知識が全くないこと。そして周りに介護について詳しい人がいないこと、かといって、どこに聞いたらいいかもわからないこと。さらに、勤め先でも、育児休暇を取っている人はいても、介護休暇を取っている人はなかなかいないこと、さらに、育児と違い、介護はある日突然やってくること…などが挙げられます。こうして、いざ介護の当事者になっても、知識もないし、どこの誰に何を聞いて、どう頼ればいいのかがわからないし、会社にも言いづらいために、仕事を辞めるという選択をしてしまうのではないのでしょうか。
では、どうしたら介護離職者の増加を防ぐことができるのでしょうか。
まずは、ある程度の年齢になったら、「親が病気になったらどうする?」「認知症になったらどうする?」といった事を想定して、「介護」に関連する情報を収集をすることが挙げられます。もしもの場合、自分の住む地域であればまずはどこに相談すればいいのか、介護保険制度で受けられる介護サービスにはどのようなものがあるのか、介護と仕事の両立をしている人はどのようにしているのかといった「介護のキホン」について調べるとよいでしょう。また、親と一緒に住んでいない場合は、親と定期的に連絡を取り合うことも大切です。そして、自分の勤務先の、介護休業制度や介護休暇制度といった会社の支援制度や利用状況を確認することも重要です。企業の側でも、介護に直面する社員を支援する制度の整備をし、制度の情報を共有し、さらには相談できる窓口作る、介護休暇を取りやすい風土作りをするなどの取り組みが重要になってきますね。
介護について、どこか「恥ずかしい」といった気持ちがあり、「人に知られたくない」「人に聞けない」「自分でなんとかしなければ!」と、一人で抱え込む事もあります。親も自分も年をとります。介護は、誰にでも起こりうる、当たり前の出来事です。いざ当事者になってもあわてないように、今から情報収集をし、その時に備えましょう!

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