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スカートめくり そんなカワイイ話じゃない⁉

今でも感情表現がうまくできないオッサンです

小学校5年の時 クラスの女子をいつも虐めていました
虐めていたというより重大な傷害事件をおかしていたのです
女の子と接し方がわからず会話ができない
男子の中でK子の話題になると 私は逆に「いいや 私はアイツは嫌い」と言って「証拠を見せたろう」ととんでもない事をやらかします

当時、プロレスがよく流行っていました
ミル・マスカラスの空中技、四の字固め、ニードロップ、フライング・ボディーアタック テレビに夢中になって観ていました 
学校でもプロレスごっこをみんながしていました
私はK子になんと 
ドロップキックをかましたのです

机の間をつかつかと歩み寄りK子をロックオンして
いざ ドロップキック
K子は当然倒れます
やり遂げた私は振り返りもせずにその場を去っていました
何日かして また同じことを繰り返します ターゲットも一人ではありませんでした
そんなことが何度かあって 学級担任の先生に放課後残されました
教師になって始めて学級担任になったT先生 今思うと私の事で相当悩んでいただろうと思います

いろいろ話をされ 何であんなことをするの? と聞かれても
私は言葉が出てきませんでした そして涙がツッーと頬に垂れ
何も答えられないまま 時間は5分10分と過ぎていきます
その時、クラブの調理実習を終えた女子がスポンジケーキを持って教室に入ってきました
T先生に食べてくださいと言ってその子は帰っていきました
T先生は私に食べなさいと差し出します
私は泣きながらスポンジケーキを食べました
私はその時の味をまったく覚えていません

3学期になって クラスのランキング表がまわってきました
そこにはクラス全員の名前が 男女別々に書かれていました
どんなアンケートをしたのかわかりませんが
好感度順にランキングが書かれていたのです
私は下から2番 当然の結果でしょう

「スカートめくりをするのはその子の事が好きだからだ」
と聞いたのは 何年も後 社会人になってからでした

中学生になっても感情表現は変わりませんでした
学力テストがあると解答欄を定規や下敷きで切るか 折り目を付けて丁寧に破いて提出しなくてはいけません
隣の席の女子N子が定規を持っていないことに気が付いた私は無言で定規を差し出します
なぜか いつもN子は定規、下敷きを持っていません
毎回 私はN子に定規を差し出します
学力テストの度に私はN子の動きを確認して定規を渡し、受け取ってから自分の答案をするようになりました
何度か消しゴムを貸したこともあります
ただ 淡々と定規を渡し受け取るだけの関係
今考えると私は何を期待していたのでしょうか

かっこよく見せたい
頼られたい
褒めてほしい
私は かまってちゃんなのか(当時そんな言葉はありませんが)

クラスでは仲のいい友達はいませんでした
なぜか私はその頃 少女漫画の表紙のような絵の描かれたノートを持っていました とてもきしょい話です

中学卒業の日にS美が私に 第二ボタンを欲しいと言ってきました
進学する高校は違いましたが 通学経路は途中までS美と同じでした
毎朝、自転車で待ち合わせ途中まで一緒に通学しましたが
1か月と続けることができませんでした
そして 私から別れようと言いました
無言の時間がとても辛かったのです
風の噂でS美はすぐに別の男子と付き合いだしたと聞かされます
私を忘れるためにその男子と付き合ったそうです

今 振り返ると私はずっと寂しい寂しいと想っていたんだとわかります
幼稚園の頃 ある日 自宅に帰ると 誰もいませんでした
母も、父も 兄弟もおりません
私は窓の外を眺め ワンワン泣いていました
その時の様子は今でもはっきりと目に浮かびます
雨でガラスが歪んで見えたのか 涙のせいなのか
庭の景色はゆがんでいました

4人兄弟の真ん中で母親の愛情をあまり受けてこなかったのか
いいえ 母は特別にひいきすることはしていません
父の背中に抱きついたとき 振り返った父の冷たい視線を感じたことはあります
しかし それが理由で 寂しい、寂しいと感じていたのではありません
ですが 寂しい心をずっとかかえ 大人になっても感情表現は苦手なままです

根源的な寂しさ があります

また別の見方で
7歳までの心の傷を創痍(そうい)というそうです
そのなかでも寂しさに関係するのが
「哀感の創痍(あいかんのそうい)」
というそうです
寂しいというエネルギーはすべてを破壊していきます

今になってようやく気が付きました
私は寂しかったんだと たくさんの人に迷惑をかけてきました
何度謝っても足らないでしょう ドロップキックをした人たち
T先生 ごめんなさい
許してください

そして 自分自身に言います
ごめんなさい
ありがとう
愛してます
もっともっと自分を好きになります
これからもずっと自分の心を見てまいります

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