見出し画像

SALTWORKS Presents「塩の味」展覧会 開催レポート

先日、当社初のデザインワーク展覧会「塩の味」を開催しました。
創業15年を迎えたソルトワークス。その周年イベントの一つとして、デザインチームが中心となって企画された今回の展覧会。
約1週間の開催期間中、のべ200名を超える来場者が訪れ盛況のままに閉幕した本展の開催の様子をお届けします。


【開催概要】

塩の味 DESIGN WORKS OF SALTWORKS
会期:2024年 1月 30日(火)〜2月 4日(日)
   10時30分〜18時30分(最終日は17:00まで)
会場:さいとうギャラリー
   札幌市中央区南1条西3丁目1番地 ラ・ガレリア5F
料金:入場無料

「塩の味」のチラシ(表・裏)

SALTWORKS初となるデザインワークの展覧会。
焦点を当てるのは、創業15年の歴史を通してSALTWORKSを象徴してきたインハウスデザイナー制作の年賀状です。
元は年賀状という小さなコミュニケーションツールの脇役ーーー
それも小さなハガキサイズのグラフィックですが、そこには創意工夫や新たな表現への情熱、ユーモアなどが詰まっています。
本展では近年リリースされた年賀状の中でも象徴的なイラストレーションやタイポグラフィをポスターとして再構築し展示いたします。
一粒一粒、様々なSALTWORKSの「味」をぜひご堪能ください。

「塩の味」チラシより

《準備編》

チーム総動員で駆け抜けた約1ヶ月 

展覧会の企画がデザインチームの中で発案されたのは2023年の12月初旬。ひょんなきっかけで会場を借りられることになり、デザイナーのチャパを中心に展覧会プロジェクトが始動しました。
(以前からこうした企画展の話は社内で上がってはいたものの、なかなか実現には至らなかったそう)

そこから企画詳細を詰め、予算承認が下りて実際にチーム全体で準備が始まったのは昨年の12月27日でした。すでに当日まで1ヶ月を切り、しかも目の前には年末年始休暇が迫るまさに年の瀬・・!

しかしそこはさすがのクリエイター集団。チラシ制作、ポスター制作、進行管理、社内折衝と分担してデザイナーチーム総動員で一気に準備を進めました。

プロジェクトを仕切ったチャパは当時の様子をこう振り返ります。

チャパ:普段から個人的に制作や展示活動をしていることもあり、軽い気持ちで「展覧会をやろう」と言い出したのですが、時間もないし会社が絡むと意外とやることも多く…。なので今回私は進行役に徹しました。タスクをスプレッドシートで管理し、プロジェクトのメンバーにどんどん振ることで短期間で走り切ることができました。経理面や申請など事務作業も含めて、過去の会社員経験が地味に生きました(笑)

ソルトに入社してからの5年間、わりとひたすら年賀状デザインを制作する日々だったので、誰かと連携をとって仕事する機会が少なかったんですよね。でも今回、部署のメンバーはもちろん社内のいろんな人と関わって、一つのものを作り上げるというのがとても楽しく良い時間でした。
「誰かやってくれますか?」と声をかけるとみんな「私やります!」と手を挙げてくれて、そういうやりとりができて嬉しかったし、準備期間から文化祭みたいな気分でした!


あらゆる塩で「塩」を作ってみる

1月某日、社内の一角でなにやら展覧会に向けた準備が行われていました。聞けばチラシ制作のために、塩を使って「塩」の文字を作るのだとか。
「チラシ・・?に塩?」と全くイメージが湧かない広報担当でしたが、完成した「塩」の文字やチラシデザインを見せてもらって「おお〜〜〜」と納得。素敵な仕上がりに思わずため息がでてしまいました!

塩で「塩」を作るアイデアは、チラシ校了の3日前というギリギリのタイミングで思いついたのだそう。
撮影当日、サラサラの伯方の塩から、ゴリゴリのヒマラヤ岩塩まで各々が持ち寄った塩はなんと10種類以上!半日かけていろんなパターンで撮影し、無事に全員が納得するインパクト大の「塩」のタイポグラフィが完成しました。
普段インターネット上で取り扱っている年賀状デザインをリアルの世界に持ってくる今回の展覧会。そのイメージをチラシのタイトルでも表現できないかというアイデアが見事形になりました。

いろんな粒が集まって一つの“塩”を作り上げる、展覧会テーマともうまくマッチしたチラシになったのではないでしょうか。

展覧会ではチラシの作成工程がわかるコーナーも設置

《当日編》

開催期間中の様子

会場はオフィスからも徒歩1分の距離にある「さいとうギャラリー」。札幌の街中にある老舗ギャラリーとあって、足繁く通うファンも多いそう。

展示室には大小さまざまな22点の年賀状ポスターをずらりと並べました。

今年の主役である龍はもちろん、ウサギ、ウシ、ネズミといった可愛い動物たちが干支モチーフとなってポスターの中で生き生きと表現されています。
干支だけでなく、縁起物やお正月を連想させるイラストポスターもバランスよく配置することで、ポップから正統派までバリエーション豊富な“年賀状グラフィック”を会場全体で楽しんでいただけるようにしました。

これらの作品はすべて「年賀家族」と「つむぐ年賀」の商品として扱っていたグラフィックをポスターとしてリメイクしたものです。

会期中は、デザイナー数名が担当制で在廊しました。
気さくに話しかけてくださるお客さまもいらっしゃり、制作意図や作品についてデザイナーから直接お話しさせていただく場面も。

私たちの年賀状サービスは全てがWEB上で完結するものなので、デザイナーがユーザーの方と面と向かう機会はほぼありません。
自分たちの商品(デザイン)やサービスについて口頭で説明したり、来場者の感想や反応を直接受け取ったりと、なかなか無い貴重な経験に緊張しつつも温かい気持ちで溢れるデザイナーたち。

「こういうデザインが人気があるんだ」「年賀状に対してこんな想いを持ってくださっているんだ」と、それぞれが新たな発見や気づきの多いひとときを過ごしました。

来場者数は、6日間でトータル200名超を記録。私たちの予想を大幅に上回る人数でした。ギャラリーの常連さん、ビル入り口の看板を見て立ち寄ってくださった方、新聞のイベント情報欄をチェックして来られた読者の方など、来場のきっかけはさまざまですが、多くの方が「年賀状」というテーマに親しみや関心を持って作品をご覧になられたのではないでしょうか。

ポスター化できなかったデザインはハガキサイズで
壁面に貼りました


同時開催「Mid (night) images」とは?

「塩の味」のすぐ隣の展示室では、ソルトスタッフによる個人制作のグループ展も開催しました。普段はグラフィックデザイナーやアートディレクターとして同じ社内で働き、プライベートではそれぞれ創作活動を続けている4名の作家たち。
お互いに創作活動をしていることはなんとなく知っているけれど、なにを作っているかは意外と知りません。
日中の仕事を終え、帰宅後の夜からじっくりと創作に向きあう。彼らの「ミッドナイト=真夜中」をイメージした約20点の作品が展示室に並べられました。

ポップで明るいイメージの作品が並ぶ「塩の味」とは雰囲気がガラリと変わり、こちらはよりアート展らしい落ち着いた雰囲気に。訪れた方々も、異なる2つの展示室を行き来しゆっくりと鑑賞を楽しんでいらっしゃいました。

見学に来たソルトスタッフにとっても、4名それぞれのアーティストとしての一面を垣間見れる貴重な機会になったようです。

《後日編》

売上金は義援金として能登へ

会場では、展覧会作品のポスターやオリジナルステッカーなどを販売していました。実際に作品を見て気に入ったポスターや、複数枚のステッカーを一気に購入されるお客さんもいて、多くの方に展覧会を満足いただけたことが伺えます。

トータルでみればそれほど多い金額ではありませんが、今回の展覧会での売上金は一部諸経費を差し引き、そのほとんどを能登半島地震の義援金として日本赤十字社に寄付させていただきました。
(展覧会の企画者であるチャパが、札幌へ移住する前に北陸地方に住んでいたこともあり、彼女の提案で寄付しようということになりました。)
会場で購入してくださった方々に改めてお礼申し上げます。

ステッカーはスタッフからも大好評!


打ち上げはタコパならぬ「パーラー多幸」…?

無事に展覧会を終え、近日中に社内でお疲れさま会が行われるとのこと。
打ち上げらしくパーっと飲んで食べて騒いで(?)・・・と思いきや、なんとここでもあちこちに趣向が凝らされていて、クリエイターらしいイベントになる予感…!
(こちらも後日レポートできればと思っていますので乞うご期待★)


現場インタビュー

展覧会プロジェクトの総指揮をとったグラフィックデザイナーのチャパと、デザインチームの統括を担うゼネラルマネージャーの糖分に、改めて展覧会を振り返っての感想を聞いてみました。

発起人としての想い

ーーー展覧会の運営本当にお疲れさまでした。終わってみていかがですか?

チャパ:小さな年賀状サイズのグラフィックをポスター化させるにあたり、自分で発案しておきながら正直クオリティが保てるか、と不安な部分もありました。でも、印刷されたポスターを見てその不安はすぐに消えましたし、来場者の声を聞いて、自分たちのこれまでの仕事に自信を持つこともできました。
美術の愛好家の方や、デザイン関連の仕事をされている方もいらっしゃってお褒めの言葉をいただけて素直に嬉しかったです。

ほかにも、「こんな年賀状だったら送りたくなるよね」「年明けから悲しいニュースが続いていたから、絵を見て明るい気持ちになった」「すごい発想力だね」「いい会社だね!」など、ポジティブな声をたくさん頂きました

ーーー準備段階からとても楽しそうでしたが苦労も多かったのでは?

チャパ:そうですね…多かったです(苦笑)
特に壁面を年賀状で埋め尽くした展示は予想以上に大変でした。限られた搬入時間と闘いながら、途中WEBデザイナーの助っ人も来てくれてなんとか間に合いました。
細々した作業もあるし、もちろん展覧会以外の業務も並行して行うので、自分含めてデザインチームはかなり忙しい1ヶ月を過ごさせてもらいました。
リアルイベントは準備が大変ですが、個人じゃなく仲間がいる強みを実感しましたし、アイデアを素早く実装できる“WEBビジネスの強み”も改めて感じました。

今回は、会社の基幹事業でありデザイン物もたくさん積み上がっている「年賀状」を題材に展示を組んだのですが、展覧会というフォーマットに限らず、ソルトワークスの強みを活かした企画をまたやってみたいですね。
「会社のみんなで何かやりたいね」「エンジニアチームと組んだら面白いことができそうじゃない?」なんて声も早速チーム内で飛び交っていました!


企画がもたらす好影響

ーーー展覧会プロジェクトによって社内やチームに良い影響はありましたか?

糖分:来場者の方とお話しすると、自分たちソルトワークスが何者かを説明せざるを得ない状況になるのですが、これは僕たちデザインチームの各々にとってサービスやチームについて今一度捉え直す機会になったんじゃないかなと思います。普段社外の人と接することがない部署なので、最初はみんな慣れずに苦戦していました。少しずつ自分たちの言葉で会社の特徴や製品を語れるようになっていくというのは、見ていて嬉しいものがありましたね。
とはいえ、接客マニュアルみたいなものは用意しておけばよかったなぁとも…。これは次回へ繋げる反省ポイントですね。

「家族や友達に見せたくなるような展示にしたい」というのも念頭に置いた企画だったこともあり、他部署含めて多くのスタッフが家族や友人を休日に連れてくる姿も見られました。展覧会を通して自分の仕事や会社へのエンゲージメントが高まったスタッフも多かったのではないでしょうか。

また、展覧会を終えて採用面でも思わぬ好影響がありました。
来場者の中にはデザイナーの方やデザインを学ぶ学生さんもいらっしゃいましたが、後日弊社求人への応募や問い合わせがあったようです。
求人サイトからでは伝わらない、会社やスタッフ間の空気感、デザイナーの仕事や商品などを知っていただく良い機会になれたのかなと思います。

おわりに

ソルトワークスの15年を支えてきたといっても過言ではない年賀状グラフィック。今回展覧会という形で世の中に出すことができ、一般の方に私たちの会社やサービスを知っていただく貴重な機会となりました。

普段、インターネットを通して仕事をしているクリエイターたちにとって感じづらい「お客様に喜んでもらっている実感」を得られたこと、自分たちの仕事の意義ややりがいを再認識できたことも大きな収穫だったようです。

今回の記事執筆にあたり準備段階から社内取材をしていた広報としては、デザイナーチームの結集力や行動力に驚かされるばかりでした。
アイデアがホットなうちに手を動かす」「周りを巻き込めばある程度のことは実現可能」といったことを見事に体現したプロジェクトだったのではないでしょうか。

今後もこうした「SALTWORKS Presents」の一般向けイベントを積極的に行っていきたいですね!