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しまなみから尾道インプット旅〜宮本常一の面影を感じながら行く〜

宮本常一経由→スタジオムンバイ、1000キロ運転インプット。

コロナが溶け始め、人が爆発的に動き出す直前のしまなみ街道のインプットと視察。建築デザインや空間と、オペレーションやサービスの提供の仕方を中心に観察と勉強へ。

常石造船母体の、せとうちクルーズが提供する、県営倉庫リノベホテルU2、文化財ホテル湊のやど、そしてスタジオムンバイが手がけたlog、3泊100万以上の浮かぶホテルガンツウ。造船会社がなぜ観光を手がけることになったか、コロナをどう超えて来たのか、これからのビジョンを聴きたく、このうちlogと湊の宿の支配人小林さんに様々お話を伺うことが出来た。まずは、造船会社として、地域文化と雇用を保存していくという民間主導の投資体制と、DMOを通じた営業連携は元より、オペレーション面についてユニークなのは、事業部制ではあるものの、ホテルごとに、特徴とコンセプトを体現できるスタッフ採用と教育に特徴を感じた。一律教育体制では無いのだ。つまり、U2とlogでは活躍できる人材が違うと言う。自立分散型の、有機的な体制構築には強く共感を覚えた。

建築、ハード面でも、かなり勉強になった、谷尻さんのU2はもちろん、尾道空き家プロジェクトの見晴らし亭、湊のやどの文化財活用、そしてインド人デザイナーが考える美意識やサステナブルとの融合の世界観のlogまで、どこも滞在中の豊かさと意識や、視野を上げたり拡げたりしてくれる素晴らしいものであった。

初訪問のしまなみ街道は美しく、世界から人が訪れようとする理由とポテンシャルがよくわかった。それでも、サインのデザインやウォーカブル、IOTでのサポート、駐車の問題などまだまだやりたいことやれてないことはあるのだろう。国はこうした素晴らしい国内観光文化資源を集中して磨き上げ、保全していかないと、アジアでも選ばれない国になるのだろう。同時にそんな危機感も感じた。コロナのダメージからはまだまだこれからという雰囲気であったし民間だけでも難しい課題は各地山積みだ。

さておき、個人的には、宮本常一さんの足跡を少しだけ垣間見れたことも嬉しかった。
忘れられた日本人の著者であり周防大島の出身である宮本さん。生涯を通じて、網目のように日本中を旅をしながら地域の民族文化研究に没頭された観察と聞き込みの神様。

生涯を通じて、宮本さんは、人を取材対象として見るのではなく、対人間同士の目線で常に敬意を払って居たという。地域に入り込むからこその、その在り方を私も宮本さんに学び、ずっと持って居たい。

写真のカメラやバック、御守りや手帳は、宮本さんの私物であり記念館の片隅にそっと展示してあった。この控えめな展示を見たときに、僕はご本人に少しだけ、お会いできたような気持ちになった。

ところで、1000キロの運転も今年2回目だが、大したことはなくなって来た。
今年はもっと意欲的に勉強して、自分が提供する仕事に投影していきたい。まだまだこれからだ。道は長いが、スタッフ達とやっていく。

書き切れない膨大な所感もあるが、また後日別の形にて。

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