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追憶②

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ドアを開けると、西日に照らされた君は輝いて見えた。同世代なのに少し大人びて見える君は遠くの存在に感じた。
僕は何も持っていない空っぽな人間だと自負している。 やりたいこともわからないまま、日々生活を送っている。僕の居場所なんてどこにもない。 そう思った。

蒸し暑い夏の夜
窓を開けて、夜風を感じていた
ぼーっと天井を眺めていたら、隣の部屋から聴いたことがあるメロディーが流れてきた。
「まさか、君も同じ曲を知っているなんて」
気づいたら僕は、君の部屋まで駆け出していた。部屋の中で君も聴いていた曲について話していたら、僕と君は「僕ら」になっていた。

味方がいないはずだった僕はなんだか強くなった気がしたんだ。

写真 ひかげさん


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