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2017年3月場所

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3月場所を振り返って。 波乱、盤石、安定、波乱、逆転、奇跡。 様々な要素がこれでもかと詰め込まれた15日間。 長年にわたって相撲を見続けてきたものにとって、これほどの場所はなかっ…
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#照ノ富士

第2章〜相撲人気の復活に賭けて〜(1667字)

八百長問題発覚以後、低迷し戦後最低にまで落ち込んだ相撲人気。

相撲協会の様々なテコ入れや改革によってファンへの新たなサービスやアプローチを展開してきた。

更に近年では琴奨菊や豪栄道の日本出身力士の優勝なども相撲人気の復活に力を添えたことは間違いないのではないだろうか。

もちろんモンゴル出身力士達の活躍も忘れてはならない。

絶対的な横綱として、君臨し続けている白鵬。彼の負ける姿を取組前にはと

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第5章〜誰もが主人公〜(2419字)

今場所は稀勢の里が12日目まで連勝を重ね、単独トップであり続けた。

白鵬が序盤に休場、日馬富士・鶴竜も10日目時点で3つの黒星で差をつけられ13日目には優勝の可能性すら無くなっていた。

そこに星一つの差で追っていたのが大関照ノ富士である。

かつては稀勢の里に先んじて賜杯を手にした彼が、虎視眈々と稀勢の里に迫ってきた。

前日に照ノ富士の兄弟子日馬富士によって黒星をつけられ、まずい怪我をし

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最終章〜稀勢の里の奇跡〜(3216字)

稀勢の里(12勝2敗)と、照ノ富士(13勝1敗)の一番は結びの一番の一つ前に組まれた。

照ノ富士が勝てば、照ノ富士の優勝。

稀勢の里が勝てば、優勝決定戦に。

優勝決定戦での勝者が、優勝。

照ノ富士はとにかく一勝すれば優勝できる。一敗の猶予がある。

一方稀勢の里は2連勝が優勝への道しかない。一敗も許されない。

好角家の間では昨日の結果も踏まえて、照ノ富士有利の声が大半を占めていた。

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