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あのウィーン楽友協会で私たちも演奏できる?!〜音楽の民主化〜

先日、ウィーン楽友協会にまつわる特別講演会を聴講した。楽友協会資料館館長と副館長のお話は、大変貴重な時間であった。


皆さんは『楽友協会』をご存知であろうか?

オーストリア・ウィーンにある楽友協会は、毎年1月1日に全世界に向けて衛星放送されるウィーンフィル・ニューイヤーコンサートが行われる場所である。

また、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団の本拠地となっており、名だたる演奏家たちによってコンサートが連日行われている。楽友協会は、クラッシック音楽界で知らない者はいない、頂点のコンサートホールであり、ウィーンの音楽の歴史を今に伝える大変重要な歴史的建造物でもある。

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楽友協会は音楽の民主化を体現した建物で、プロの演奏家もアマチュアの愛好家も一緒に音楽をつくる場であるべきとしてつくられたものだという。

音楽は国境や隔たりを越える、なんて言葉をよく耳にするけれど、楽友協会はThat’s right❗️なのだ。

かつて室内楽を演奏する場所としてサロンと呼ばれる空間があり、それは家の一室で演奏を楽しむ場所であった。当時はお金持ちの貴族が、音楽家を雇って自分たちのために演奏をさせた。

この習慣が18世紀になると市民階級にも広まり、サロン文化は音楽愛好家たちの間でより身近になっていった。

時代が過ぎ、プロ演奏家(お金を稼ぐ人々)と愛好家(趣味で楽しむ人々)に二極化していったが、楽友協会が音楽の民主化のサロンとしての役割を全うし続けて今があることは確かである。


アマチュアも、と先に述べたように、実際に私たち一般人も楽友協会で演奏ができる。事実、私もそのステージに立ったことがある。

私の人生で唯一の自慢かもしれない......あの時の感覚は今でも鮮明に覚えているし、心から誇りに思う。

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あんなに立派なコンサートホールで私なんかが...と思っていたが、いち音楽愛好家の私にだって権利があった。うれしい。

最低限の身つくろいは必要条件であるが、歴代名だたる音楽家たちが登ったステージに立てることは光栄であると同時に、私たちに与えられるべき十分条件であることを知って、愛好家としてにこにこしてしまう講演であった。

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『ウィーン=音楽の都』のイメージは皆さんもお持ちであろうと思う。

現在、六本木にあるホテルオークラ東京・サントリーホールにて『音楽のある展覧会』が開催されており、楽友協会の貴重なコレクションを公開している。(11/17まで)

また、国立西洋美術館では『ハプスブルク展』が開催されている。(2020/1/26まで)ハプスブルク家はウィーン史において欠かせない王侯貴族の名家で、マリア・テレジアやマリー・アントワネットだってそうだ。

マリー・アントワネットの逸話で、モーツァルトが6歳の時にプロポーズをしたというものがある。モーツァルトはハプスブルク家とも関わりがあり、『ウィーン=音楽の都』は文化だけではなく政治としても成り立つ事項なのである


今年は日本オーストリア友好150周年記念の年である。少しでもと興味を抱いてくださった方、ありがたいことに今年は沢山チャンスがあります!ウィーンについて、楽友協会について目と耳で楽しんでください♪

クラッシックは一見敷居が高いかもしれないけれど、私たちにも十分にひらかれています。『にわか愛好家』が増えたら嬉しいなぁ。




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