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エンターテイナー、マイケル・ムーア監督のためになる映画3選<第2弾>

こんにちは。みむとです。
マイケル・ムーア監督の映画紹介第2弾!
今回はムーア監督自身がヨーロッパ諸国を“侵略”する何とも過激な作品です。

『世界侵略のススメ』(2017)


「(アメリカは)第二次世界大戦後勝てないのだ。朝鮮、ベトナム、レバノン、イラク、イラン、(そこを通して産み出した)予算の無駄遣いや過激派を悔やんだ。戦争は更なる戦争を生んだだけ、石油も得られなかった。」
空軍、陸軍、海軍、海兵隊から“ほとほと困っている”と相談されたムーア監督は
「(ヨーロッパ諸国へ)私を送り込め。必要なモノをゲットしこのアメリカ合衆国へ持ち帰ろう」
と意気揚々。海を渡り、諸外国を次々と“侵略”していきます。
では一体、彼はヨーロッパのどこに行き、なかなか勝てないアメリカに何を持ち帰るのでしょうか。その一部を見てみましょう。

<登場する地域で,その「ジョーシキ」略奪する!>

ドイツ連邦共和国の労働者
・1週間の労働時間は36時間
・会社の役員の半分は従業員から選出されなくてはならない。
・従業員の退社後に上司はメールを送ってはいけない
・従業員のプライベートな時間に上司が電話連絡してはいけない。法律違反にあたる。
ポルトガル共和国の犯罪
・犯罪者も選挙権を保持
・法律は人間の尊厳を守るためのものであるべきで、死刑制度は尊厳を冒涜するものと警官が主張
スロベニア共和国の大学
・大学の学費は無料で、若者に借金を負わせない
・高校の教育レベルは、アメリカの大学以上と言う者もいる
チュニジア共和国の女性進出
・政府出資の女性クリニックで中絶費用が無料。こうしたサービスにより女性が男性と対等になれると考えられている
・「アラブの春」の原因となったジャスミン革命が勃発、女性が重要な役割を果たし、独裁政権を倒した。新政権は女性の種利を排除したが女性たちが反発した
・(イスラム教の慣習である)女性のスカーフをするかしないかは、本人の自由

これらを持ち帰ることでアメリカはもっと良くなるというマイケル・ムーア監督。実際、アメリカ国内に目を向けてみると
・なかなか休みをもらうことができない労働環境、
・ジャンキーな給食(全く食欲をそそらない?)
・膨大な軍事予算に割かれる税金(源泉徴収からどこにお金が流れていくかわからない!)
・禁欲的な性教育
などなどひどいですが、どこか既視感が。
それもそのはず。これまた同じような状況が日本にもありますね。(冒頭から国単位での紹介になってしまい、主語が大きくなっていますが、細かい話はここではおいていきます)

この作品の良いところ

それは、
①「当たり前」を外の「ジョーシキ」と比べてみる。
②必要ならば「当たり前」(つまり既存の秩序・体制)を自らの手で変える。
という一連の流れが、諸外国の(物質的にではなく、人間の本来的な意味で)豊かな暮らしに帰着していることがよーくわかるところです。
とりあえず、ジャスミン革命ってすごい。
そして、私が気に入っているのは、安いのにレストラン並みのクオリティなフランスの学校給食と、「女性が3人でグループの力学が変わる。議論の内容も、対話の様子も(変わる)。貸借対照表より違いが明白」ってセリフです。

さて、相変わらず自宅で過ごす時間が多いです。大学生の私なんかは特に。
この際ですから『世界侵略のススメ』なんか観て、当たり前を様々な角度から観察してみるのはどうでしょうか。ぼんやり「コロナが終わったら元通り」なんて望んでいると、近い将来、痛い目にあうかもしれませんね。

PN みむと

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