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林檎の妖精 #23

歩き始めると、見覚えのある人がいた。

「あ、あなたは!」
「ん?・・・誰だお前。」

前にここに来た時に話しかけた人だと思ったが・・・私のことを覚えていないようだ。
思い出してほしかったが、あまり時間をかけてはいられない。

「あの、この辺に森ってありますか?」
「森?」
「あのねぇ、暗い森で川もあるんだよ!」

横から、すかさず琴も補足をする。

「ん~、川があるかは分からないけど、森はこの道をまっすぐ行ったところにあるよ。」
「本当ですか!?」
「木が大きく生い茂っていて、陽はあまり差し込まないだろうから多分暗いと思うよ。」
「多分?」
「森があるのは知っているけど、中に入ったことがないからね。」

迷っている時間はない、早速そこに行ってみよう。

「ありがとうございました。琴、行ってみよう!」
「うん、そうだね!」

手を繋ぎ、その人に見送られながら道を歩き始めた。

(・・・そういえば、あの人の名前を聞いておけばよかったな。)

言われた通り、道を歩いていると本当に森が見えてきた。

「あった。」
「お父さん、森が見えてきたね!」

ここに本当にいるのだろうか。

いや、きっといる。

いったい誰なのか、そしてこの世界が誰の夢なのかを教えてもらおう。

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Created by Ryohei Osawa

こちらは、キングコング西野亮廣さんが現在制作を進めている【夢幻鉄道】という作品の「二次創作」となっています。

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