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林檎の妖精 #30

琴の誕生日から数日が経った。

あの日、みんなで星空を見に行った・・・ところまでは覚えているんだけど、その後何かあったような気がするが・・・思い出せない。

琴に聞いても、星が奇麗だったことと夕飯が美味しかったことしか言わない。

(何かあったような気がするんだけどなぁ・・・。)

今日はお休みだが天気もあまり良くないので、家の中でお絵描きをして過ごすことにした。
前に買っておいた大きな模造紙を引っ張り出して・・・来たが、何だか枚数が減っているような気がする。

(・・・何かに使ったっけ?)

広げて子供達を呼ぶと、姉妹が飛んできて絵を描き始めた。
それぞれ自由にクレヨンを走らせていく。

さすがに琴は絵らしい絵を描けるようになってきており、こちらが見ていても明らかに何か分かるものを次々描いていく。
次女はまだまだグルグルを線を描いているばかりだ。

(上手くなるもんだなぁ~。)

ふと気が付くと、琴が見慣れないキャラクターを描いていることに気が付いた。

頭はリンゴで出来ており、目がハートになっている人型のキャラクター。
手には四角い物と、お花を一輪持っている。

「琴、これはなに?」と聞いてみた。

「これはねぇ、イシキュアズーだよ。」

<おわり>

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Created by Ryohei Osawa

こちらは、キングコング西野亮廣さんが現在制作を進めている【夢幻鉄道】という作品の「二次創作」となっています。

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