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1月に読んだ本&一言感想(雑多に)

「睡眠の計画」
なんてイカした題名なんでしょうか……!!東京都現代美術館『ダムタイプ展』で展示されていたチラシのひと文。もう優勝。金銀銅ぜんぶのメダルあげちゃいます。表彰台もあげちゃう。

本の題名もそうですね。
題名だけでストーリーがあったり、すごくダサいのに頭から離れなかったり。題名だけで衝動買いした本をあつめた『イカした題名展』、見てみたいですね。わたしは14冊くらい寄贈しようと思います。
オススメの題名の本があったら、ぜひ教えてくださいね!

でははじまり~。

↓おやすみ前にオススメの、ー文書籍。




泳ぐのに、安全でも適切でもありません/江國香織

周りに恋愛をしてる人が自分が思っている以上に少ないのは、日々に変化が起こるのがイヤな現れなのかもしれません。あの人は好きだけど、電話をしたり休日に会ったりすることの手間を考えると、やっぱり好きじゃないのかも。

安全で適切な世界と日々の変化は対極で、自分から変化をしていくのって、ものすごいことだ。
何気ない恋愛短編集ですが、自分の恋愛を自分の手で進めていく女性たちの光に、ちょっとクラっとしてしまいました。


学び続ける力/池上彰

リベラルアーツ(=教養課程)が大事である。知識や技術、資格取得を目的とした学校が増えていくなか、なかなか「すぐには役立たない」勉強てのは後回しにしがちである。
そんな中、「すぐには役立たない」勉強こそ大事だということが、経験と持論を用いて分かりやすく書かれています!文の読みやすさピカイチです。さすが池上さん!!

あと、池上さんは簡単に単位を出さないということも知りました。みなさん参考にしてくださいね!


日本の貧困女子 ~衰退途上にあるこの国のリアル~中村淳彦

北関東住みなので、第一章の「北関東の貧困」の生々しさと距離の近さに愕然としました。

レストランで弟と両親が食事をしているなか、自分だけなにも食べさせてもらえない。家族の闇金を肩代わりしているが、利子を返すので精一杯で完済できるはずがない。
特殊な例なのかもしれないけど、そんな地獄が種類を変えていくつも、いくにんもの心と身体を傷付けて、逃げた先でも待ち受ける貧困。
どう足掻いてもどうしようもない例から、誰かのサポートで救えるのではないかという例まで。


センセイの鞄/川上弘美

70過ぎになっていた高校のときのセンセイと、30代のツキコ。ふたりは居酒屋でばったり会えば酌み交わすし、なんとなく喋って、たまに出かけたりする。でも、それだけ。「ずっとこのままの2人の関係が続けばいいのに」という気持ちと、「普遍的な関係なんてないのだ」という感情がクロスして、関係の変化になぜか泣きそうになってしまいました。

『恋愛というものを、自分はしにくい質なのかもしれないとしみじみ思っていた。』読んでいるとき、ツキコさんの性格が自分とソックリなように感じて、ああ、そうなのだよ、一人で生きていけるように見えるでしょ、なんて親しいひとに知ってもらいたくなりました。一人でなんて生きられないのに。


ものは言いよう/ヨシタケシンスケ

各紙に掲載されたあんな絵やこんなインタビューやそんなことまで。
絵本を始めとする今までの出版作品の紹介のほかに、ヨシタケさんの10割はわかっちゃうんじゃないかというほどの詳細なインタビュー(イラスト付き)やたくさんの絵に和んで、ありとあらゆる筋肉が弛緩ちゃいます。


セックスのほんとう/一徹

めちゃ目立つサイコ〜のブックデザインゆえ、レジまで持っていけず電子書籍で購入した小心者です。

AV男優という仕事をして得たAVの「ファンタジー」について、実際とどう違うのかを説明している、セックス界のバイブル。怪我や心の傷を、防ぐためにも、みんなが持っておくべき知識がわんさか載っていてオススメです。
でもやっぱり電車で読むのはやめといたほうがいいですね!


白いしるし/西加奈子

はじめの数ページを読んだとき、「あ、これ、あかんやつや」と思いました。
この小説の流れや結末がどんなものであろうと、ぜったいに好きになってしまう。
それが怖い、のにページをめくる手が止まらない。これが恋なのでしょうか。

間島の圧倒的なちからに「自己」まで変えられてしまう夏目。でもなにより間島が大好きで、なんだ、この小説に溺れるわたしも同じじゃないかと思って、恋の逆らえなさに思わず泣けてきました。台風のようにわたしをかき回す、そんなすべてを愛している、そう思わせてくれる。





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