マガジンのカバー画像

ひとりごと

5
ことばに一切の責任を負わずに、こころのうちを暴露した短い文章たち
運営しているクリエイター

記事一覧

正解

小説、数学の方程式、宇宙、音楽、美術。
過去のわたしが好きだったもの、今のわたしが好きなもの。

好きなものたちに向き合うことって、歳をとるにつれて、辛さも増してくる。
「正解」を求めてしまうからだ。
正解を求めて、好きなことが本当に好きかもわからなくなってくる。

入試では、模範解答どおりに小説の読解を進めなければならない。数学では、解を求めるプロセスは重要視されず、ただしい解を求めることだけが

もっとみる

過去に縋るということ

人は、過去に囚われてばかりの愚かな生き物だと思う。
過ぎ去った過去やその過去に犯した過ちは、どれだけ想ったって、どれだけ待ったって、もうどうしようもないことなのに。
自分が囚われている「過去」を振り翳すことは、時として他人を傷つけることにさえなる。
そんな過去に囚われるなんて、甚だ愚かしい。

年の瀬だから、なにかを振り返りたくなったのだろうか。

なんとなく読みたくなった、一年と少し前の日々のこ

もっとみる

恐怖、あるいは

目が覚めると、台風。

夜更かししたということもあるが、それ以上に、おそらく気圧のせいであろう。なかなか体調がすぐれない。

しかし、何故だろうか。
日常的に発生する「雨の日」はただただ憂鬱なだけであるというのに、気象災害が起こると、どうも憂鬱なだけではない、不思議な気持ちになる。

感じ取るのは、例えば…救済、のようなもの、だろうか。(もちろん、気象災害によって起こるさまざまな弊害を肯定している

もっとみる

わたしの前からいなくなりそうなあなたをみて
どうしようもなく胸が締め付けられそうになるが
はたして手を離したのはわたしではないか?

ムンクの《マドンナ》を初めて見た時(と言っても画面越しであるけれど)、ぞくぞくしたし目を奪われてなんだかドキドキしたの、あれは一目惚れとかっていうよりも私のものにしたいという、みにくい執着のようなもの