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2022.9.2 中国政府が“宗教団体”を恐れているワケ

今、日本のニュースを騒がせているのは旧統一教会と政治家との問題ですが、6月初旬、日本ではほとんど報じられてはいませんが、こんなニュースが報じられました。

<米国務省、中国の宗教弾圧を非難>

これは、中国政府が新疆ウイグルなどで、人々の信仰の自由を迫害しているという内容で、実は、中国が弾圧しているのはイスラム教だけではなく、あらゆる宗教が対象です。

実際、習近平政権になってから、中国ではクリスマスを祝うのが禁止されたなんてニュースもあります。

日本人の感覚では、宗教くらい個人の好きなように信仰させてあげればいいのに…、と思ってしまいますが、そもそもなぜ中国は、ここまで『宗教』を厳しく取り締まるのでしょうか?

今回は、その理由を中国最大の気功団体『法輪功』の話題を通して書き綴っていこうと思います。


中国政府が一番恐れる団体:法輪功

革命には暴力が付き物ですが、このような革命の手段を使わず、中国を平和的に内部から崩壊させようとしている集団が中国にはあります。

それが、先に挙げた法輪功です。
中国ガン細胞に対抗するNKリンパ球の要素を、ほぼ全て備えていると言っても良いでしょう。

法輪功は、1992年5月に李洪志氏が長春で始めたもので、当初はこの気功の学び方を公開していませんでしたが、それが一般公開されるや否や、瞬く間に中国国内に“学習者”が広がっていきました。

当初、中国政府は、法輪功を容認する姿勢をとっていましたが、政府上層部が一転してこれを問題視し始めたのは、法輪功の学習者があまりにも急激に増え始めたからです。

中国の公安部が、徹底的に法輪功組織の調査に乗り出したのは、1997年~1998年にかけてです。

そして、1998年には法輪功の活動禁止措置を発令しました。

そうした中、1999年4月18日~24日にかけ、天津のメンバーが当局に陳情したことが“暴動”と見做されて、逮捕される事件が起きました。

これを不服として翌25日、今度は中国共産党幹部が住み、政府の中枢機関が集まっている北京の中南海にある陳情窓口に、2万人ものメンバーが集結して陳情に及びました。

2万人のメンバーは静かに立っていただけでしたが、中国当局は、公安にも察知されることなく、いつの間にか、これだけの人数が政府中枢機関を取り囲んだことに大きな衝撃を受けました。

そこで、全国に1億人はいるとされる法輪功メンバーへの迫害を開始しました。

法輪功が受けた徹底的な迫害

中国には、既に法輪功を取り締まる専門の組織があります。
それが『6・10弁公室』です。

この組織には、法律を無視しても良いという無限大の権限を与えられています。

だから法輪功のメンバーであれば、誰であろうと自由に捜査できるし、弾圧も拷問もできます。

中国政府が一団体に対して、ここまで対応する姿勢に、いかに法輪功を恐れているかが分かろうというものです。

だから、最も政府を転覆できる国内勢力が法輪功だと言って良いでしょう。

これまでの中国人の組織で見られない法輪功の強みは、法輪功のメンバー自体が、自らを宗教団体と考えていないことです。

あくまでも気功の修行であり学習です。
中国政府としても、中々実態を掴みにくい様で、これまでの宗教団体とは異質の存在です。

しかし、法輪功が宗教的要素を有していることは間違いありません。

なぜ中国共産党は宗教団体が怖いのか?

中国の権力者にとって、宗教勢力ほど怖いものもありません。

中国史上、繰り返されてきた王朝崩壊の主な原因は、1つは農民暴動で、1つは宗教の力だったからです。

例えば、
1351年 元朝末期の紅巾の乱
1612年 明朝末期の白蓮教徒の乱
そして、世界史上最大の内戦と呼ばれる
1850年〜1864年 清朝時代の太平天国の乱
など、どれも宗教によって民衆が決起して広がった大規模な反乱です。

宗教団体は、迫害されればされるほど殉教精神が燃え上がります。

中国政府が法輪功を弾圧すればするほど結束力が強くなり、中国共産党政権に対する敵対心も強まっていくのは必然でした。

中国共産党が法輪功の団結力を高めていったのです。

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