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2020.8.10 安全な国土を子孫に残そう⑧

より美しく、より安全な国土を子孫に残そう

京都大学の藤井教授の考え方で共感するのは、防災には共同体意識が必要だという感覚が著書のあちこちに窺える点です。

たとえば、岩手県普代村の故・和村元村長は、苦労して巨大な防潮堤を作ったが、生きているうちにその効果を見ることはありませんでした。

生前は「他のことに使えばいいのに」
と多くの批判を受けました。

また、姉吉地域で
「此処(ここ)より下に家を建てるな」
と言い伝えたのも、高台で暮らす不便を堪え忍んでも、子々孫々のために安全を確保したいという先人たちの思いからです。

防災投資とは、現世代が自分のために使えるお金を後の世代の安全のために使うということです。

そこには自分たちの世代が我慢をしても、子孫のために尽くそうという無私の心があります。
これが共同体意識である。

耐震工事の予算を減らしてバラマキに使ってしまった当時の民主党の政策は、まさに先祖に感謝し子孫のために尽くすという共同体意識を忘れた戦後的発想の表れです。

自分の世代のことしか考えない享楽主義では、百年の計が必要な防災対策などできはしません。

祖先から受け継いだこの美しい国土を、より安全にして子孫に残すという事は私たちの責務です。

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