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投資での成功は運?それとも実力?

投資家の成功は『運』でしょうか?
それとも『実力』でしょうか?


投資家ではない方や経験の浅い方は、恐らく『運』だと答えるでしょう。
なぜなら、株価というものが“全く理由も無く上下に激しく変動するもの”だとしか見ていないからです。

確かに短期的に見れば正しいと言えるでしょう。

企業の株価パフォーマンスと利益成長との間には、1時間、1日の期間においては直接的な相関関係がありません。
ですので、私にとって株式におけるデイトレードはただのギャンブルで、時間の無駄だと思っています。

偉大なバリュー投資家として有名なベンジャミン・グレアム氏の有名な言葉に、
「株式市場は、短期的には人気投票の場に過ぎないが、長期的に見れば『価値』の計測器として機能する」
というものがあります。

そして、その重みになるのが『業績』です。

少し歴史を振り返ってみます。

恐らく四半期毎に毎年業績を上げているにもかかわらず、株価がそれに連動しなかったという企業を見つけることはできないでしょう。
つまり、株価は業績に連動するということです。

しかし一部の有識者は、投資がアウトパフォームする(運用成績がベンチマークとする指標を上回っていること)のは運次第だと主張しています。

彼らは、いわゆる『効率的市場仮説』に基づいています。

これは、合理的で利己的な投資家が重要な公開情報をすべて入手しており、それを直ちに株価に反映させるという理論です。

良いニュースも悪いニュースもすぐに株価に反映されるため、長期的に市場リターンを超えていくことは不可能だというものです。
たとえそれができたとしても、それは“運が良かっただけ”ということになるのです。

ヴァンガード創業者の故ジャック・ボーグル氏や『ウォール街のランダム・ウォーカー』著で経済学者のバートン・マルキール氏といった著名な投資家も含め、アナリストの多くはインデックスファンドだけに投資すべきだと主張してきました。

私は、彼らの意見に反対ですが、全面的に反対しているわけではありません。

全ての投資家のポートフォリオの基本が、インデックスファンドで構成されても良いと私は思います。

インデックスファンドは幅広い分散投資であり、低コストです。
しかも売ったり買ったりを繰り返しませんから、税金を抑えることもできます。

しかし、だからといって個別銘柄を選ぶと市場に勝てないというわけではありません。

株式市場が合理的に機能しているということと、全ての銘柄が常に最適な価格であると主張することには大きな違いがあります。

例えば1990年代後半のインターネットバブルの頃、テクノロジー株は最適な価格で市場に出回っていたでしょうか?

2009年の底値では、ほとんどの銘柄が大きな利回りと一桁の株価収益率(PER)を記録していましたが、果たして株価が合理的だったと言えたでしょうか?

もちろん、そんなことは言えませんでした。
人は100%合理的な存在ではありませんし、株価も同様です。

情報が完全に行き渡っているということはありませんし、特に小型株や外国市場は、個人投資家にとって絶好のチャンスです。
新技術や新薬の候補は、よく理解されていないことが多く、また、恐怖や貪欲、不安といった感情は、しばしば合理的な株価の決定を遠ざけていきます。

ウォーレン・バフェット氏は、かつて、
「効率的市場仮説を教えるために、主要な大学に資金を提供するべきだ」
と、冗談まじりに言っていたことがあります。
なぜそのように言ったのかというと、投資家が割安株を見つけようとすることを止めれば、彼にとってはずっと楽な投資になるからです。

バフェット氏の純資産1120億ドルは、本当に『運』のお陰だと言えるのでしょうか?

バフェット氏がバークシャー・ハサウェイ社の経営に就いた1965年5月、もし貴方がS&P500種株価指数に100万円を投資して、配当を再投資していたとしたら、今年の初めには約3億円の価値になっていたはずです。

この結果も素晴らしいですが、同じ額をバークシャー社に投資していたならば、貴方の100万円は364億1000万円以上に膨れ上がっていたでしょう。

この3億円と364億1000万円の差は『運』で決まると思いますか?

もしそうだとしたら、バフェット氏はバランスシートや損益計算書、コーポレート・ガバナンスや株価評価についてあまり理解していない凡人ということになります。
しかし、彼はそうではありません。
恐らく、これらのことについて、地球上の誰よりも理解しているでしょう。

それにもかかわらず、バフェット氏の数十年間にわたる業績を『運』だけによるものだと、どうして言えるのでしょうか?

市場に勝つのは簡単ではありませんが、それは間違いなく可能だと考えています。
そして、米国株投資をされている方は、既にこのことを知っている方も多くいます。

とても幸運なことです。

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