2021.11.5 習近平が必死で“粛清”を進めるワケ
中国で政権を維持するために必要な3つのパワー
皆さんは、中国という国において、政権を維持するために重要な3つのパワーと言われると何か分かるでしょうか?
日本には民主主義があるため、もしかすると支持率などが入るかもしれませんが…。
中国で政権を維持するためには3つの力が必要です。それは…
槍桿子・・・軍
筆桿子・・・・宣伝
刀把子・・・・公安・司法(政法系統)
これも、中国の政権と武力との密接さを表しているように見えますが、この中でも特に3番目の刀把子は、平時に使える武力として重要とされています。
「中国の権力闘争の中心は政法系統」
と言われている一方、一番腐敗しているのも政法系統です。
そして今回、その政法系統で、反習近平を掲げる江沢民派の幹部が失脚させられるという事件が起こりました。
習近平「江沢民派の|刀把子《ダウバーズ》を逮捕せよ!」
習近平が国家主席に就任する前、政法系統、つまり公安や警察、人を裁く司法の分野におけるトップは周永康という人物でした。
この人物は江沢民派の人物で、非常に強い影響力を持っていましたが、習近平によって2013年に失脚、逮捕されました。
しかし、その影響力から周永康の残党は多く、9月に起こった習近平・暗殺未遂事件にも周永康の残党が事件に関与したと言われています。
そして10月2日、司法部長の傅政華という人物が逮捕されました。
この傅政華については、部下である孫力軍も習近平によって粛清されています。
この孫力軍は、同じ江沢民派でありながら、一度は習近平に寝返って周永康の調査に協力した人物。
しかし、中国には
「寝返った人物を決して信用しない」
という伝統があるため、この人物も逮捕に追い込まれました。
政法系統の粛清は諸刃の剣?
今後、2022年の共産党大会を前に、権力闘争は一層激化しています。
これに関しては、
「現在、習近平は、江沢民派の影響の強い政法系統に手をつけていますが、必ずしも習近平が勝つわけではない。」
と言えます。
実は、習近平のこのやり口は諸刃の剣。
確かに中国軍は強いものの、軍は武器を提供されているわけではありません。
常に武器を携帯しているのは政法系統(公安警察)であって、まだまだ政法系統の影響力は強いのです。
習近平が政法系統に手をつけた以上、習近平派も江沢民派も、まさに生きるか死ぬかの手を引けない状況に追い込まれていると言わざるを得ません。
このままいけば、来年の共産党大会までに何か大きな“政変”が起こる可能性も高いでしょう。
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