2021.11.15 日本が「一難去って、また一難」のワケ
岸田総理は11月10日、第101代総理大臣に就任しました。
岸田総理は、記念すべき第100代総理大臣でもあります。
しかし、彼が100代総理だったのは、2021年10月4日から11月10日までのたった38日。
なんとなく、寂しい気もします。
それはともかく、岸田総理の成功は日本の成功、私たちの成功。
ですから、岸田総理が日本の真の国益に合致した政策を行い、長期安定政権になることを願いましょう。
気になる人事
とはいえ、一つ大いに気になることがあります。
人事のこと。
岸田さんは、林芳正氏を外務大臣に指名しました。
林氏は、1961年生まれの60歳。
東京大学法学部を卒業。
ハーバード大学ケネディ行政大学院を出ている大変に優秀な人です。
政治家としての経歴を見ると、2008年、福田内閣で防衛大臣に就任。
2009年、麻生内閣で内閣府特命担当大臣(経済財政政策担当)。
2012年、安倍内閣で農林水産大臣。
2017年、安倍内閣で文部科学大臣。
2021年、岸田内閣で外務大臣に。
順調に出世街道を進んでおられます。
しかし、懸念もあります。
林氏は、『日中友好議員連盟』の会長で、『親中派』として知られています。
1973年に設立された『日中友好議員連盟』は、その名の通り、“中国との友好を深める目的”の超党派議員連盟です。
会長は林芳正氏ですが、副会長が、なんと日本共産党の志位和夫委員長。
岸田総理は、親中派のボス二階氏の影響力を実質ゼロにして、一難が去りました。
ところが、今度は外務大臣という超要職に『親中派』をつけ、また一難です。
ちなみに、林氏は『岸田派ナンバー2』と言われています。
それが、任命理由なのでしょう。
親中派外相が「懸念材料」である理由
現在、世界では『米中覇権戦争』が続いています。
世界情勢は、これを軸に回っています。
そして、今もアメリカの味方はどんどん増えています。
ここ1〜2年で、中国から距離を置き、アメリカ寄りになってきたのはイギリス、フランス、ドイツ、EU全般、オーストラリア、インドなど。
いずれも、強力な国ばかりです。
理由は、様々ありますが、
・中国が情報隠蔽によって、新型コロナパンデミックを引き起こしたこと
・香港国家安全維持法によって、香港の自由を完全に奪ったこと
・ウイグルで民族絶滅政策を行っていること
・台湾を「武力を使っても統一する」と脅迫していること
・中国経済成長が鈍化し、チャイナマネーの魅力が減っていること
など。
こういう状況下で、『岸田派ナンバー2』とはいえ、世界的に“首相の次に目立つ”外相に『親中派』を就ける。
「岸田総理は、世界で起こっていることを理解しているのだろうか?」
と心配になります。
しかし、一方で“良いニュース”もあります。
岸田総理は、中谷元元防衛大臣を、人権問題担当首相補佐官に任命しました。
中谷氏は、『人権外交を超党派で考える議員連盟』の会長で、中国に対しては非常に厳しい人です。
親中派と反中派を政府の要職に就ける。
岸田総理らしい、『中道的』な人事です。
『中道』は、ほとんどの場合、良い結果をもたらします。
ですが、“決断を迫られる場面”で、“中道ではいられない”こともあります。
例えば、A子さんとB子さん、両方好きでも結婚するなら、どちらかを選ばなければならない。
A社とB社、両方から内定をもらっても、二つの会社に就職することはできないので、どちらか選ぶ必要がある。
戦争においても、どちら側に付くのか決断しなければならない時がやってきます。
第二次大戦時、日本はドイツ側に付く決断をして負けましたが…。
そして、今は既に、“アメリカに付くか、中国に付くか”、“立場を明確にすべき時期”なのではないでしょうか?
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