2023.5.14 日本にも潜む…“中国闇警察”の正体
先月17日、ニューヨークでFBIが2人の中国人を逮捕したのですが、実はこの逮捕、全世界のマスコミで話題になっていたのをご存知でしょうか?
というのも、逮捕された理由が、
「中国の闇警察(秘密警察)に関与している疑い」
と発表されているからです…。
では、闇警察とは一体何なのか?
今回は、その正体を明らかにし、日本にも迫る脅威について少し書いていこうと思います。
警察を海外に置くという意味
どこの国にも『合法的な武力』というものが存在します。
それは、軍隊と警察です。
軍隊は自分の国、国民を外敵から守るため。
そして警察は、国内の治安を守るために存在しています。
しかし、今回ニュースになった『闇警察』というのは、中国の警察でありながら、アメリカを拠点にしていたのです。
この警察を“海外に置く”というのは、どういう意味なのでしょうか?
これは武力を海外で行使することであり、
仮令その対象者が自国民であっても、歴とした主権侵害です。
通常、海外で犯罪者を捕らえる場合、犯罪者が潜伏する国の警察に逮捕をしてもらい、引き渡してもらうことが一般的です。
その国に自ら乗り込んで警察の権力を使って誰かを捕まえること、つまり他国で武力を行使することは主権侵害なのです。
では、
このような中国の国を超えた警察の活動は、最近始まったことなのか?
というと…、
実際は随分と前から起きていました。
世界に広がる中国の『闇警察』
スペインの人権観察団体 “Safeguard Defenders” は、2022年1月に発表したレポートで、
<中国警察が海外に手を伸ばしている>
という内容を明らかにしました。
このレポートによると、世界53ヶ国に中国の海外闇警察の拠点が存在し、その数102箇所。
なんと、日本にも2箇所存在します。
これは2022年1月時点の数であり、最近は更にハイスピードで増えています。
中国闇警察の主な目的は、
海外に逃げた中国人犯罪者を取り締まること。
もちろん、中国外交部はそれを表向きには否定しています。
中国政府は、海外で自国民のために運転免許の更新、身分証明書の更新や発行をしているだけだと言っています。
但し、仮にこの言い訳が本当だとしても、本来この業務が出来るのは大使館か領事館だけですから、何れにせよ許されない行為なのです。
中国の闇警察の実態
実際に闇警察がやっていることは、
海外に逃げた中国人を強制的に帰国させること。
そのために、彼らは3つの手段を使っています。
1.中国に残っている家族を人質にとり、強迫や恫喝をする
2.海外にいる中国人を直接脅迫する
3.直接、外国で拉致する
これらは実は、1993年以降から行われている行為ですが、明るみになったのは習近平政権になってからです。
習近平は『反腐敗運動』という名の下に、『猟狐行動(キツネ狩り)』を2014年から展開していました。
キツネとは、海外に逃亡した中国人です。
このキツネ狩りによって、2021年4月~2022年7月までの約1年間で、23万人の中国人が強制帰国したという調査結果も出ています。
このような闇警察の行為を放置していると、どうなるでしょうか?
様々な影響が考えられますが、最も恐ろしいのは、“中国人ではない人”を脅迫、拉致することもできてしまうのです。
実は、中国の闇警察に捕まった人の中に、既にアメリカ国籍を持っている中国人も多くいました。
彼らは、法律的には中国人ではなくアメリカ人です。
この逮捕を許してしまうと、アメリカ人や台湾人も、日本人も何れ対象になるでしょう。
30年間、放置されてきたこの闇警察ですが、今回、遂にアメリカが動きました。
これに勇気をもらった国も多いと思います。
国の主権や財産、日本人を守るためにも、日本政府も早く動いて欲しいものです。
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