【自己紹介】退職から10年経って、トンネルを抜けた私
やりがいを感じていたCAの仕事を辞めたのは、私が30歳の時。
夫の転勤が理由でした。
職場で退職の意思を伝えたら、みんなが一斉に「おめでとう!」と声をかけてくれて、ラストフライトの後にはデスクに溢れるほどの花束が届いていました。
到底ひとりで持てる量ではなく、同期の仲間に手を貸してもらって車に詰め込んだことを覚えています。
振り返ると、あの時が人生のピークだったかも(笑)
CA特有なのかもしれませんが、結婚退職コースは当時決して珍しくなく、仲間うちではむしろ若いうちに退職するのが「勝ち」という共通認識すらありました。
だからこそ、仕事を辞めることに対して当時の私は、はっきり言って無防備だったのです。
もちろん自分の意志で選択した道だから後悔はしていないけれど、
実際に辞めてみると、想像していた以上に私の生活は激変。
その中でも、私の仕事がなくなったことで最も変わったのが、夫婦の関係性でした。
結婚してから2年ほど共働きの期間があって、この間は互いにキャリアの向上を目指して励まし合う関係だった(少なくとも私はそう感じていた)けれど、私が仕事を辞めたことで、私のベクトルだけ反対方向を向いてしまったのです。
夫はどんどん仕事の実績を積んで、期待される役割も増えていく一方で、
仕事を辞めた私は、何もないような虚無感でいっぱい。
夫を励まそうにも、レースをリタイアしてしまった私にはもう適切な言葉が浮かばない、、、
この状況に輪をかけて、私の感じるもどかしさや絶望感が周りに理解されないことも負のループに拍車をかけました。
「働かなくても食べていけるんだから、恵まれているよね」
「むしろ夫に感謝すべき」
「毎日が日曜日で最高じゃないか」
あまりにもこういった言葉ばかり返ってくるので、私は次第に、周囲の人とは夫婦関係やキャリアの話題を避けるようになりました。
まだ30代なのにすでに社会から断絶されて、ワンオペ家事と育児の無理ゲーな毎日。市場に何かを生み出すこともなく、お客様に感謝されることもなく、達成感がまるでない日々。
自分には何も期待されていないような気がして、まさに暗黒時代でした(遠い目)
だからこそ、真っ暗に見えていた当時の人生から抜け出したい一心で、子育てしながら必死で勉強して、CFPとファイナンシャルプランニング技能士1級の国家資格を取得したのです。
7年もかかってしまったけれど、新たに自分の仕事を見つけることができました。
資格という武器を手に入れた私は、FP協会本部の相談室で2年間相談員を務め、その間に自分の事業を立ち上げました。
ドキドキしながら開業届を出したのが2022年。
ようやく「わたし」というアイデンティティを取り戻した気がして嬉しかったのを鮮明に覚えています。
それからは、かつての生活とはまるで違う、忙しくも充実した毎日が私を迎えてくれました。
自分で仕事を創造するって、何てワクワクするんだろう!
まっさらな状態から試行錯誤するのが楽しくて、
仕事を通して出会える人の輪が広がるのが嬉しくて、
同業の先輩方から学べることがありがたくて、
「これこれ!私が送りたかったのはこういう日々なんだ」と
ようやく自分の人生にGOODサインを出せるようになったのです。
世の中には様々な考え方の人がいて、
仕事は単に生活資金を稼ぐ手段と捉える人もいれば
自分のアイデンティティそのものと感じる人もいます。
前者は、働かなくても生活できることを夢のように感じるだろうし、
後者は、働かなければ自分が何者でもない不安でいっぱいになることでしょう。
正解なんてものはなくて、人それぞれ価値観が違うだけ。
要するに「自分が心地よい方」を目指して行けば、人生を前向きに生きられるってことなんだと思います。
30歳で退職して悶々としたからこそ今の自分に繋がっていると思えば、暗黒時代も無駄ではなかったな。
私は40代に突入した今の自分にとても満足しています。
もし、あなたが過去の私と同じような気持ちで悶々としているならば、ありきたりの言葉だけれど、こう伝えたい!
あるよ!!