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リサイクルリードのナーチャリング施策

はじめに

セールスリクエストの原です。
最近、弊社の支援先でナーチャリング設計を見直したところ、リサイクルリード(アプローチしたものの商談化していないリード)からの商談数を大きく増やすことができました。他の支援先でも同じようなことがあり、あらためて「着実にアプローチすればリサイクルリードからの商談数は増やせる」と確信すると同時に、一度断られたリードを商談化することもインサイドセールスの重要な役割であると感じました。

一方で、多くの企業の関心は「足元で獲得したリードをいかに商談化させるか」にあります。インサイドセールスが架電、メールなどあらゆる手段で新規リードを追いかけて振り向かせようとしていますが、過去商談化しなかったリストは放置されているのが現状です。

弊社からリサイクルリードへのアプローチをご提案すると、ほぼ100%「たしかにやったほうが良いよね」という結論に至るのでみなさん重要性は理解されているのですが、不思議と手がつかないようです。もしかすると多くの企業ではリサイクルリードが放置されて眠っているのかもしれません。

そんなことを思ったので、今回はセールスリクエスト流のリサイクルリードのナーチャリング施策について基本的な取り組み方をまとめました。みなさんの参考になれば幸いです。

リサイクルリードの捉え方

ナーチャリング施策の解説の前に、リサイクルリードの捉え方について目線合わせをさせてください。
まず、リサイクルリードは企業にとっての重要な資産と捉えるべきです。連絡先、役職、部署、氏名も、経路もわかった状態でアプローチできることは営業活動において大きなアドバンテージだからです。ゼロから商談を生み出すことに比べれば、タイミングとアプローチの仕方によって商談に繋げられる可能性が十分にあります。

そもそも獲得したリードは、どんなに良い歩留まりでも60%弱がリサイクルリードに回ります。多額のマーケティング投資を回収する意味でも、リサイクルリードを放置することは避けなければなりません。

一方で、一度自社に関心を持った相手とはいえど、リサイクルリードとなった見込み顧客の関心は低いことがほとんどです。多くの見込み顧客は以下の状態であることを想定して、状態に合わせたアプローチ施策を検討することが重要です。

問い合わせや資料請求を行ったものの、自社(商材)を認知をしていない
認知はしているが、商材に関心がない
認知はしているが、商材が解決する課題を感じていない

事前準備

ここからは取り組み方の解説に入ります。地道な取り組みですが、様々な企業で成果が出た施策なのでぜひ参考にしてください。まず事前準備として以下に着手しましょう。
ターゲットの明確化
リサイクルリードにアプローチする際には、一気に全リストに取り組もうとせず、自社商材の想定ターゲットに近い属性に絞ったアプローチをおすすめします。

前述のとおりリストの多くは商材に関心がない属性なので、網羅的にアプローチすると反応率が低すぎてリソースの無駄遣いになってしまいます。一方、商材の想定ターゲットに絞れば、商材が解決できる課題を潜在的に抱えている可能性も高く、比較的効率的に商談化させることができます。

ターゲットを限定するために、商材のターゲット属性をベースに優先すべき条件を定義しましょう。具体的には、以下の条件項目を定義する必要があります。

業界
企業規模
部署
役職

ターゲットリストの作成
優先すべき条件を定義できたら、CRMにターゲットのチェック項目を作り、条件を満たすリストにチェックを追加してください。このチェックをキーに抽出したリストが、ナーチャリングのターゲットリストとなります。抽出数が少なすぎる場合には、ターゲット条件の近接条件まで広げてボリュームを調整してください。

掘り起こし施策

ターゲットリストが完成したら、掘り起こし施策を実施していきましょう。基本の取り組みとして4つの施策をご提案します。
ウェビナー案内
まずウェビナー案内です。顧客にとっては売り込み色が薄く、参加ハードルも低いアプローチです。インサイドセールスからも案内がしやすく、ブランド毀損も起きにくいため、頻度高く行えるようにしましょう。

目的は、ウェビナーを通じた情報提供によってを見込み顧客のニーズを顕在化させることです。商材解説、商材が課題解決する業務のポイント解説、顧客登壇による課題解決事例、デモ体験等を軸にテーマを検討しましょう。

商談打診メール
ウェビナーよりも直接的なアプローチとして商談打診メールがあります。ウェビナーは潜在層を顕在化させることを主な目的としていますが、商談打診メールはより顕在層に近い見込み顧客を商談に引き上げることを目的とします。

メール作成時のポイントは、見込み顧客に「不特定多数ではなく個別に送られてきている」と感じさせることです。1to1の特別感のあるメールを作成しましょう。特別感を演出するために必ず以下の要素を盛り込んでください。

なぜあなたに連絡したのか
なぜ今連絡したのか
どのような価値提供が可能か

アンケート依頼
リサイクルリードのアプローチ手段としてアンケート依頼も有効です。これは直近のニーズの顕在化や商談獲得を狙う施策ではなく、見込み顧客の状況を把握するための施策です。

見込み顧客を対象に自社商材と関連性の高い業務に関するアンケートを依頼しましょう。表面上、意識調査レポートの作成やサービス改善等を目的に依頼するのもですが、アンケートの回答内容から、顧客の状況について解像度を高めることができます。

アンケートの回答はCRMに記録し、今後のアプローチ確度を高めるために利用します。もちろんアンケートの内容からニーズ顕在化の予兆を捉え、すぐに商談化できるケースもあります。アンケート結果に基づくコンテンツ作成にもつながるため、その点でも効率的な手段と言えます。

尚、可能であればCRMやMAと連携したフォームでアンケートを取ることをおすすめします。CRMに記録することが重要ですので、記入漏れや転記せずに終わることがないよう工夫してください。

回答率を高める工夫としてはアマゾンギフト券の贈呈があります。500円程度でも効果がありますので、ぜひ特典付きで案内しましょう。また、調査結果レポートの送付を約束することもインセンティブになります。見込み顧客の関心を持つテーマかどうかを意識して調査テーマを検討してください。

架電
最後に架電です。ナーチャリング施策に連動した架電を行い、ウェビナーへの申し込み、商談化、顧客の状況の確認などを行います。

ウェビナー参加者であれば感想のヒアリング、商談依頼メール対象者であればメール閲覧の確認や商談のオファーなど、ナーチャリング施策の検証と合わせてパイプラインの進捗を狙いましょう。アンケート回答者の場合、アンケート結果から想定される状況を確認することが目的となります。

尚、結果的に商談等の次ステップに進むことを断られたとしても、定期的な情報提供の許可を依頼してください。顧客の検討タイミングをキャッチするためには、定期的な連絡を取りやすくしておくことが重要です。

最後に

はじめに述べたとおり、リサイクルリードを含めたハウスリストのフォローアップは優先度が低くなりがちですが、それらを放置することは大きな機会損失になります。

目に見えないため問題視されにくいのですが、リサイクルリードの放置時間が長かったり、突発的なアプローチしか行っていない状況では、リードの多くは競合他社に奪われてしまいます。

本日ご紹介した施策はオーソドックスな内容ですが、適切な頻度でアプローチを続けることで、確実に商談数を増やすことができる施策です。是非多くの企業に取り組んでいただきたいと思います。

リサイクルリードの掘り起こしを依頼したいというオーダーありましたらぜひ以下よりお問い合わせください。

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