見出し画像

#10【物流DX】フィジカルインターネット

#物流DX

みなさんは”フィジカルインターネット”という言葉を耳にされたことはあるでしょうか。

私もHacobuに入って初めて知りました。

今回はこちらのNRIさんのサイトの用語解説ページを参考にしています。

インターネットの仕組み

そもそも、”インターネット”の仕組みをご存知の方はどのくらいいらっしゃるでしょうか。

インターネットが登場する前は、通信には”回線交換方式”という技術が採用されていました。
固定電話がその代表的な例です。

発信元と通信先の端末同士を交換機によって回線を切り替えて直接接続する方式なのですが、この方式では通信ごとに回線を占有してしまうため、回線が全て占有されてしまうと他の端末は通信できません。

端末ごとに回線を用意すればその問題は解決されますが、そうすると通信が行われていない間はその回線は利用されないことになり、非常に効率が悪い方式だったのです。

インターネットでは通信データを”パケット”と呼ばれる形に分割して、そのパケットが送受信される間だけ回線が利用されます。

複数の端末間の通信をパケットに分けて処理することで、一つの回線を複数の通信データの送受信に利用することができるようになり、回線の利用効率は格段に向上しました。

経済産業省「物流危機とフィジカルインターネット」より

フィジカルインターネットとは

このインターネットの仕組みを物流にも応用しようというのが”フィジカルインターネット”です。

こちらの記事で触れたとおり、従来の物流業務においてはアナログな職人芸であるがゆえの非効率が蔓延していました。

荷主(荷物の発送元)は、自分たちの荷物を得意先の希望納期通りに届けるためにトラックを占有して積載率の低い状態で走らせたり、出荷しなければならない荷物が増えたときのために一定台数を常時確保する契約を運送会社と締結したりしていました。

しかし現在、深刻なトラックドライバー不足により、輸送リソース(トラック・ドライバー)の供給より需要(運ばなければならない荷物)が上回る状態が続いています。

経済産業省「物流危機とフィジカルインターネット」より

上記のように積載率の低い状態でトラックが稼働したり、運ぶ荷物もないのに契約で確保したトラックを遊ばせておくと、あっという間に輸送リソースは枯渇します。

その状況が続いた結果、こちらの記事にあるように、スーパーの棚に商品が並ばないという状況が訪れるのです。

消費者に食品や生活必需品が届かないというだけでなく、原料が工場に届かないことによって生産活動も滞り、供給が圧迫されることによって需要も減退し、GDPの低下を招き経済が停滞して不景気を引き起こします。

「物流とか興味ねーし」なんて言ってられない深刻な状況です。

この状況を回避するため、インターネットと同じように、輸送リソースを占有せず複数の荷主間で共有することによって、貴重な輸送リソースを最大効率で活用して物流需要を充足しようというのがフィジカルインターネットです。

野村総合研究所さんのHP「用語解説」より

どのように実現するか

しかしこの考え方、「言うが易し」も良いとこです。

モノを運ぶにあたって、「どこからどこにどの会社の誰がどのトラックでどんなルートでいくらでどうやって運ぶのか」という様々な情報を考慮しなければなりません。

積載率に余裕があるからと言って、「埼玉から青森へ」の荷物と「名古屋から香川へ」の荷物をひとつのトラックに載せることはできません。

いつ、どの荷主が、どこからどこへ、どんな荷物を(品目分類、大きさ、重量など)運ぶのか、というのが社会レベルで可視化されていないと、配送ルートなども考慮した真に最適な輸送リソース共有による効率的な輸配送は実現できないのです。

では、どのように可視化するか。

可視化するためには、上記の情報が統一された定義、粒度でひとつの場所に集められて整理されていないといけません。

しかし最大の問題は、荷主企業も運送会社も、会社ごとに、いやいや下手したら事業所ごとにバラバラなシステムを利用していることです。

システムが違ってくれば、当然データの定義や粒度も異なってしまいます。

ITに詳しくない方は、例えば何かの会員登録で住所を登録する際、サイトが違うと住所情報の持ち方が違うことをイメージしていただくとわかりやすいかもしれません。

A社のサイトでは「都道府県」がプルダウンで選択、市区町村、町名、丁目、番地と箱が分かれて入力する方式。
例:「東京都」 「港区」 「三田」 「3丁目」 「xx-x」

一方B社のサイトでは、都道府県は手書き、市区町村、までは同じだが町名丁目は同じ箱。
例:「東京都」 「港区」 「三田3丁目」 「xx-x」

これはかなりシンプルな例で、実際は品目分類が違ってたり、
例:A社では「チルド」 B社では「加工食品」、「青果」など

荷姿が違ってたり、
例:A社では「ケース」 B社では「箱」、「ブロック」など

ちょっと技術的なことを言うと、これらの情報を都度手入力しないよう「マスター」化して選択できるようにしたりするのですが、そのマスターのID(通し番号というかシステム内で識別するデータの名前みたいなもの)がシステムごとにバラバラだったりします。

これを全く同じ形式で一覧に整理するのがいかに大変か、少しはイメージできますでしょうか?

イメージできた方は、同時に「フィジカルインターネット無理じゃん」と思ってしまうかもしれません。

これを解決するのが、業界や社会全体で共通の物流情報プラットフォームの普及です。

荷主も運送会社も全員が同じプラットフォームにアクセスして、荷物を運ぶのに必要な業務や手続きをそのプラットフォーム上のアプリケーションを用いて行えば、当然データの定義や粒度は始めから統一されていて、誰もが必要な物流情報を入手できる「可視化」状態が確立できます。

このプラットフォームになり得るものが、Logistics Resource Planning™である”MOVO”なのです。

※LRPについて紹介しているnoteの記事をご参照ください

日本で最も多く利用されている圧倒的トップシェアのMOVOには既に日本で最も多くの物流ビッグデータが蓄積されています。

つまり、MOVOこそフィジカルインターネットを実現する物流情報プラットフォームに最も近いと言えるでしょう。

物流に関わるみなさまがMOVOをご利用いただくことで、消費者の手元に必要なモノが届かないリスクや、経済が破綻するリスクがどんどん遠のいていきます。

みなさんの生活と経済を守るため、 #MOVOを使おう  を拡散いただければ幸いです。


いいなと思ったら応援しよう!