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ニーズあり、コンセプト良し、でも売れない。なぜ?→"アレ"が足りないから。

「どうしてこのサービスは売れないんでしょう?」

彼の名前は渡辺直樹。テクノロジーを駆使して個人事業主に価値を提供するサービスを立ち上げたばかりの若者だ。雑談もそこそこに、画面越しにそう問いかけてきた。余裕そうに見えるが、目の奥に隠れた焦りは隠せない。

「市場の需要もあるはずだし、コンセプトも悪くない。でも、売上が伸び悩んでいるんです」

新規事業は基本、うまく行かない

私のもとには日々多くの相談が寄せられるが、新規事業がうまくいかないという話は珍しくない。新規事業が成功するのは稀なことであり、失敗がデフォルトと言っても過言ではない。

ここでいう新規事業とは、スタートアップのように市場を創造するものではない。あくまで既存の市場に参入するスモールビジネスだ。競合が存在し、需要があることは確認されている。スタートアップよりは成功の確率が高いとはいえ、それでも成功は簡単ではない。

なんせ、新規事業が上手くいかない理由は無数にある。

  • 価格設定が適切でない

    • 安すぎる

    • 高すぎる

  • 市場が間違っている

    • 正しいターゲットにアプローチできてない

    • 市場ニーズと一致しない

  • 差別化ができてない

  • カスタマーサポートが不十分

  • 口コミ・レビューが少ない

  • 納期が問題

  • デザインがイケてない

  • オファーが弱い

  • メッセージが伝わらない(ライティング)

  • コンセプトがダメ

  • 認知(トラフィック)がない

ざっと思いついただけでもこれだけの要因が考えられる。どれか一つでも欠ければ、事業はうまくいかない。「誰でも確実に!簡単に儲けられる!」というのは詐欺師の口上でしかない。

新規事業が失敗する最大の理由は「市場がない」か「コンセプトが良くない」ことだ。しかし、渡辺君の場合はどうだろう。

「まず、落ち着いてお話を聞かせてください」

私は彼を落ち着かせ、詳細を聞き出した。

「市場は間違ってないはずです。既に競合はいますし、リスティングをはじめ、広告が常に出ています。でも、僕のサービスは売れないんです」

市場はあるし、コンセプトも悪くない、でも売れない、真の原因はーー

私は彼の話を聞きながらメモを取り、彼の提供するサービスについて詳しく尋ねた。話を聞いているうちに、彼のサービスコンセプトは非常に明確で魅力的であることがわかってきた。

市場のニーズもある、コンセプトも間違ってなさそう、でも売れない。何が足りないのだろうか。

「では、あなたのリスティング広告のパフォーマンスデータを見せてもらえますか?」

彼は手際よく、広告の管理画面を私に見せた。クリック率も悪くなく、ターゲティングも適切だ。しかし、成約率が極端に低いことが一目でわかった。

ここに問題が潜んでいる。そう直感した私は更に思考を深める。

ここに問題がある、と直感した私はさらに思考を深めた。成約率が低い場合、まず疑うべきは商品コンセプトの欠陥だ。つまり「欲しくない商品」を作っている可能性だが、クリック率を見る限り、その問題はクリアしているようだ。

「ランディングページを見せてもらえますか?」

彼が見せてくれたページはデザインも良く、説明も分かりやすい。だが、”アレ”が足りない。

「渡辺さん、お客様の声やレビューはありますか?」

彼はバツが悪そうに目を逸らした。

「実は、まだあまり集まっていません。新しいサービスなので、実績がなくて...…」

この瞬間、私には原因がはっきりと見えた。問題はRTB、すなわちReason To Believeが欠けていることだった。顧客にとって「信じられる理由」がないため、購入に至っていないのだ。

「実績がなくても用意できるRTBはたくさんありますよ」

私は微笑みながら、いくつかの具体的な方法を説明し始めた。

「例えばーー」

画面には、真剣に耳を傾け、メモを取る姿が映っていた。

「ーーさらに、返金保証やトライアル提供もRTBとして有効です。顧客がリスクを感じずに試せるようにすることで、購入へのハードルを下げることができます」

私が一通り策を授けると、渡辺さんの顔に光が差し込み、希望を取り戻したようだった。

「早速、取り組んでみます!」

興奮冷めやらぬ様子でその日の会議は終了した。数週間後、彼から連絡があった。

「おかげさまで、売上が劇的に伸びました!追加の報酬は指定された銀行口座に振り込んであります。本当にありがとうございました!」

彼が振り込んだ報酬の金額にニンマリと笑みを浮かべ、これからも多くの起業家を支援し、価値あるものを世に広めていく決意を強くした。


小噺から始まった今回のnote、テーマは「実績が少ない事業で、顧客にとって信じるに足る証拠を用意する方法」です。

冒頭の物語でも登場しましたが、新規事業は大抵うまく行きません。市場が間違っていたり、コンセプトが良くないことが多いですから。

しかし、市場に競合が存在して需要があることが分かっていてコンセプトもいいのに、新しく始めた自分のサービスは売れないということがあるわけです。

単純に考えると「競合にはあって、自社にないもの」が原因ですよね。その原因として真っ先に考えられるのが、実績や経験。

実績や経験がなぜ重要なのか?

お客様は信じてくれない(証拠がない限り)

お客様は基本的に業者の言うことを信じてないからです。

あなたも自分自身の経験と照らし合わせたら分かると思います。「言うてもそんなうまい話ないでしょ」とか「そんな価値ないでしょ」と思ったことがあるはずです。

しかもそれは、広告クリエイティブがうまく行って存在を認識したあとの話。新規事業はそもそも認知を取るために努力しないといけないのに、そのあとも疑われるわけです。

その疑いを晴らすだけの”証拠”が提示できてますか?

実績や経験、口コミなどはかなり分かりやすい証拠になります。市場に前から存在している競合は、その点だけをとっても今からスタートしようとしているあなたよりも有利なわけです。

完全に新しい市場を開拓しようとするとスタートアップ的な立ち上げが必要。日本に存在する企業数は約368万社、そのうち上場している法人数は約3900社、つまり上場企業の割合は約0.1パーセント。

スタートアップ的な立ち上げをした企業に絞ると成功確率は0.1パーセント以下と言えるわけです。

その点、スモールビジネスは黒字経営の会社で38.2パーセント、所得額2000万円以上の法人に絞っても約7.0パーセントが該当する。

「ほな、やっぱりスモビジ的な新規事業は簡単やん」

こう思うかもしれませんが、そんな甘い話ではありません。だって、競合はあなたと違って実績・経験・口コミなどがありますからね。

信頼されなくて売れないを変えに来た

ただ、実績・経験・口コミがなくても信頼してもらえる証拠は用意できます。

これは、そのためのnoteです。

スモビジ起業を志しているなら参考になるはずなので、ぜひ読んでください。

もうすぐ、有料部分に入っていきます。

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スモビジは良いぞ。

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