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痩せれる奴は儲けれる:ビジネスに必要なことはダイエットが教えてくれた。

次の文章を読んで、問いに答えてください。


「ダイエットってしたことありますか?」

売上が伸び悩んでいることを相談した知人経営者から「変わっているけど腕は確かだから」と紹介されたコンサルタント、名前は確かーー佐藤。初回の打ち合わせでアイスブレイク中、彼はそう切り出した。

なぜダイエットの話?と戸惑いつつも「えぇ、ありますけど。それがなにか?」と答えた。

「いや、今回山田さんのサポートをするにあたってちょっと確認したいことがありましてね。それで、おそらく成功されたんですよね?山田さん、スリムですし」

「まぁ、はい。少しリバウンドしちゃいましたけど、成功した部類だと思います」と答えたものの、この話はどこにつながるんだろう。

「やはりそうですよね!ちなみにどんなダイエットをしたんですか?」となおも質問を続けるコンサルタント。なるほど、確かに知人の評価通り彼は少し変わった人なのかもしれない。

ただ、早く本題に入りたい気持ちもあって雑に答えてしまった。

「普通に食事制限をして運動量を増やしただけです」

「本当にそれだけですか?」

さっきまで飄々ひょうひょうとしていた彼は突然、声のトーンを落とし、何かを疑うような表情で探りを入れてきた。

「えぇ、そうですけど……。特別なことはしてませんよ」と答えたが、さすがに苦笑いが隠し切れない。

すると、なおも低いトーンを保ちながら「目標体重を決めたり、体重計にのったり、何を食べたか記録したりはしなかったんですか?」と続けるコンサルタント。

ここまで来て、そんな当たり前の質問をされると思ってなかったので、あきれた表情で「いや、さすがにそれくらいはしましたよ。当たり前のことだったから言わなかっただけで」と答えた。

すると、何が彼の琴線に触れたのか急に明るいトーンと表情で「そう!そうですよね、体重計に乗ったり、食事を記録するなんて当たり前なんです」と同意した。

もういい加減、本題に入りたくなった私は我慢できず

「一体何が言いたいんでしょうか?私はダイエットがしたいんじゃなくて売上を伸ばしたいんです」と言ってしまう。

「失礼いたしました。”さっさと本題に入ってくれ”って感じですよね。でも大事なことはダイエットと同じなんです。」と意味深な笑みを浮かべる変人。


さて、冒頭の文章を読んで頂いたあなたに少し質問をしたいと思います。簡単な国語の問題だと思って気楽に答えてください。

  1. 文章は誰と誰の会話でしょう?(名前)

  2. それぞれの立場を簡潔に答えてください

  3. ”大事なことはダイエットと同じなんです。”とありますが、ダイエットと何の大事なことが同じでしょう?

  4. この文章において、コンサルタントが伝えたいことは何だと思いますか?

なんでいきなりこんな問題を出したのか?もあとでキチンと説明するのでちゃんと考えてください。

ーー

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そろそろ答えにいきますよ?

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ズルしないでくださいね?

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ーー

さて、答えです。

  1. 文章は誰と誰の会話でしょう?(名前)

    1. 佐藤と山田

  2. それぞれの立場を簡潔に答えてください

    1. 佐藤: 知人経営者が山田に紹介したコンサルタント

    2. 山田: 売上が伸び悩んでいる相談者

  3. ”大事なことはダイエットと同じなんです。”とありますが、ダイエットと何の大事なことが同じでしょう?

    1. ”売上を伸ばす”ために大事なことが”ダイエット"で大事なことと同じ

  4. この文章で伝えたいことは何でしょう?

    1. 模範解答: ダイエットで成功するためには、目標を決めて、状況(体重)を把握しながら、行動(食事や運動)の正しさを確かめていく必要がある。売上を伸ばすためにも、目標を決めて、状況(売上)を把握しながら行動(施策)の正しさを確かめていく必要があるということ。

    2. 解説: 目標と振り返り(現状の把握)が大事という観点が書けれいればOK。

どうでした?何問正解しましたか?

いきなり国語のテストみたいなことをした理由

いつものスモビジ大全と毛色が違って驚かせちゃったかもしれませんね。ごめんなさい。

今回懐かしの国語テストのようなことをした理由は「ちゃんと読んでる人ってどのくらいいるんだろう?」と、ふと疑問に思ったからですね。

1~3は本文に答えが書いてあるので当然正解してほしいのですが、どのくらいの方が正解したんでしょう?1~3(または1~4)正解したぞって方はスキしてもらっていいですか?

4つ目の質問に関してはちょっと考える必要があるので、まぁ分からなくても問題はないです。無いですが、これからスモビジオーナーになって成長していくことを考えると「書かれていることのその先」も吸収できるようになるとGoodかなと思います。

ちなみに1~3番を間違えちゃった人、考えても分からなかった人は国語の勉強した方がいいです。馬鹿にしているとかではなく、国語力って必須なんですよ。

たまにインフルエンサーのツイートに対して「○○ってことですね!」と的外れな要約してるアカウントの方いません?

「情報商材は在庫もたないし、利益率が良いからみんなやるべきって意見は分かるけどなんの経験もない奴がゴミコンテンツ作るのは資源の無駄だからやめとけ」

というツイートに対して

「情報発信はみんなやるべきですよね!」

みたいな意味の分からんリプしちゃってるやつです。

これ、国語力がないからです。一発で頭が悪いのがバレます。スモールビジネス大全読者の中にこのレベルの人は居ないと思いますが、もし仮に万が一いるならば国語の勉強をやり直しましょう。

申し訳ないですが、文章が理解できない人がスモビジ大全を読んでも成功の足しになるわけないんです。

スモビジで起業する云々以前の問題なんで。

ここからが本題

ちょっとした好奇心と注意喚起を兼ねて導入を書いてきたのですが、そろそろ本題に入りたいと思います。

今回の本題は冒頭の文章でもあった通り「目標達成に必要なことはダイエットが大体教えてくれる」という話です。

「何言ってんだこいつ……?」って思いますよね。分かります。

ただ、ダイエットするときって毎朝体重を測定したり、食事や運動をしたり、記録したりしますよね?

これって目標達成への汎用的なフレームワークなんです。

ダイエットから学ぶ目標達成のための汎用的フレームワーク

まず、超々当たり前のことですが目標達成のためには目標が必要です。ステップ0です。

「あー、目標達成したーい!」なんて目標がなく叫んでる奴いたらまじやばいですからね。

ダイエットなら「体重を落とす」とか「体をスリムに」とかが目標なわけです。

当然、「〇か月で〇キロ痩せる」とか「〇か月で腹囲○cmにする」みたいな感じで具体的な目標数値と期間を決めた方が達成のための行動が計画しやすいですよね。

ここでは「1か月で2.0kg脂肪を減らす」という目標を立てたとしましょう。

当然、次は目標を達成するための計画を立てます。

ステップ1. 現象(目標)を支配する要素を知る

現象を支配する要素を知るとは、今回で言うところの「脂肪を減らす」という現象を支配している要素を知るということです。

簡単ですね。消費カロリーと摂取カロリーです。

更に細かく要素を見ていくと、消費カロリーは基礎代謝と運動量(活動レベル)から、摂取カロリーはタンパク質、脂質、糖質と分解することができます。

そして、消費カロリー>摂取カロリーになると脂肪が燃焼される。簡単ですね。そして、脂肪1kgを燃焼させるのに必要なカロリーは約7,200kcal。

ステップ2. 計画を立てる

消費カロリー、摂取カロリーという二大要素をコントロールすることで脂肪を減らせることが分かったいま、目標達成のための計画も簡単に立てられます。

2.0kg脂肪を減らすためには7,200kcal/kg×2.0kg=14,400kcalの余剰消費が必要。

1日当たりに換算すると14,400kcal/30日=480kcal/日。

つまり、消費カロリーが摂取カロリーを480kcal上回る状態を1か月続ければ2.0kgの脂肪が燃焼できる。

後は毎日480kcal消費カロリーが摂取カロリーを上回るための計画を立てるだけ。

ステップ3. 実行(食事制限&運動)とその記録

計画を実行しましょう。食事制限と運動をして毎日480kcal分の脂肪が燃焼されるようにするんです。正しく実施したことを後で見返すためにも「何を食べたか、どのくらいカロリーを消費する運動をしたのか」を記録しておきましょう。

「大事なのは記録より実行なのでは?」

という考えは間違ってないんですが、「実行が正しくなされたこと」を覚えておかないと記憶を改竄するじゃないですか。


ステップ4. 成果の確認(体脂肪を測る)

理論上、正しいダイエットをしているはずですが、体脂肪が減っていない場合何かが間違っているんです※。

※正確な体脂肪の測定方法がないという問題は一旦無視してください。あくまでも例なんで。

ステップ5. 計画または実行の調整(見直し)

脂肪1kgあたりの消費カロリーや消費>摂取で痩せるというのはほぼ間違いない事実。そのため間違っているのはおそらく、基礎代謝や消費カロリーか摂取カロリー計算。

摂取カロリーに関しても"正しく入力している場合は"ブレが小さいはずなのでまず見直すべきは基礎代謝と消費カロリーの計算。

筋肉量が少なく基礎代謝が低いとか、消費カロリーを過大に見積もっている可能性が高いので、計画を修正して体脂肪が減るまで調整。

ステップ6. ステップ2~5の繰り返し

ステップ1に関しては変わることのない事実のはずなので、適宜ステップ2~5を繰り返すだけ。

これを正しくこなせば痩せれないわけがない。

俺 これ 知ってる

ちょっと待ってください。なんか私、コレ知ってる気が……。

そう、ほとんどPDCAえええ!!!!古から伝わるフレームワークPDCAをダイエットにあてはめただけー!恥ずかしいぃぃっぃい!!

どや顔で「ダイエットから目標達成のためのフレームワークが学べるんです(キリッ」とかやっておきながらPDCAフレームワークにダイエットをあてはめてただけー!!これは赤面不可避ー!

違うところはステップ1くらいー!どうしよー!!!

……。

ふぅ。

まぁ、とにかく、目標達成のためには基礎こそ奥義なんです。

ダイエットに成功したことある人は多い(リバウンド含む)

厚生労働省などの政府機関が出したデータは無いですが、民間機関が実施しているダイエットに関するリサーチは結構数があるので参考程度に確認してみました。

すると、ダイエット経験者の少なくとも過半数が「一時的なダイエットには成功したことがある」ことが判明しました。

これ、非常に納得感の強いデータだと思いませんか?

「よーしダイエットするぞー!」と一念発起して、実施する。ある程度結果が出たところで「結構痩せたなー!偉いぞ!」と油断してリバウンド。

容易に想像つきますよね?

私がここで注目してほしいのは「一時的にでも痩せることができた」というところなんです。

これって結構すごいことなんですよ。ダイエットを起業にした場合を考えてみてください。

起業の場合は成功どころか準備・行動すらできない

ダイエットの調査では女性の90%以上がダイエットをしたことがある。という調査結果が多かったです。

開業する人の割合はどのくらいなのでしょうか?中小企業庁が出している小規模企業白書を見てみましょう。

中小企業庁「2022年版小規模企業白書」より引用

これによると開業率は5.1%、廃業率は3.3%。まぁ、そんなもんですよね。

これだけ見ても「どのくらいの人が開業しようと思ったのか」を把握することはできません。また別のデータを見てみましょう。

2020年版中小企業白書です。

中小企業庁「2020年版中小企業白書」より引用

2017年のデータに注目してください。

  • 起業希望者: 72.5万人

  • 起業準備者: 36.7万人

  • 起業家: 16.0万人

無理くりダイエットに置き換えてみると、起業希望者はダイエットしたい人、準備者はダイエット計画してる人、起業家はダイエット実行した人(結果問わず)。

「ダイエットしたいなぁー」と思う人が72.5万人(100%)いて、計画した人は36.7万人(50.6%)、実行した人は16.0万人(22.1%)。

PDCAのPlanした人はたったの50.6%、Doした人は22.1%。

恐ろしい結果じゃないですか?

起業したいなぁと考えた人を100%として、77.9%の人は行動してません。それどころか計画すらできない人が約半数(49.4%)。

これは、行動力以前の話では……?

「起業じゃなくて副業ならどうです?」→……

恐れおののいている私の脳に直接語り掛けてくる声がありました。

「起業だとハードルが高いんじゃないですか?副業で調べましょうよ」

確かにその通りと思ったので、副業バージョンのデータもさがしてみました。

中小企業庁「2020年版中小企業白書」より引用

起業の場合と同じく2017年のデータに注目しましょう。

  • 副業起業希望者: 78.1万人(100%)

  • 副業起業準備者: 40.2万人(51.5%)

副業起業者の項目がなかったので、比較することはできませんが、副業準備者の割合は51.5%と起業準備者50.6%より多少増加しました。めちゃくちゃ強引ですが、副業起業準備者(51.5%)と起業準備者(50.6%)の比率で副業に取り組んだ人(副業者)の割合を推測してみましょう。

副業者 = 起業者(22.1%)×副業準備者(51.5%)/起業準備者(50.6%)=22.5%

めちゃくちゃ強引ですが、この計算だと副業者の割合は22.5%。ほぼ変わりません。

ここからさらに、一部の人だけが成功(利益が残る)と考えると夜しか眠れない恐ろしい結果ですよね……。

ダイエットとの違いを考えると行動力アップのヒントが見えそう

ここまで、ダイエットだと行動できて、起業だと行動できないというデータを見てきましたがその原因は何なのでしょうか?

あなたは「起業の方が行動できないのは当たり前だろ」と思っているかもしれませんが、私はダイエットと起業の差異を考えることで行動力アップのヒントが見えてくると考えています。

ダイエットと起業で行動力に違いが出る原因

例えば「ダイエットは身近(周りに経験者がいて、メディアでも取り上げられやすい)だけど、起業は身近じゃない」とか

「起業は難しいイメージがある」

「起業はお金や時間を沢山使うイメージがある」

「ダイエットはすぐに効果が出るけど起業は遅い」

「ダイエットは友人や家族から応援されるけど、起業はそういうことが薄い」

「ダイエットは日常の調整だけど、起業は新しいプロジェクトという意識」

などなど、様々な要因が考えられます。どれも一理あるので、一旦全部解決してみますか。

  • 起業を身近なものにする(経験者を近くに置く)

  • 難しいイメージから簡単だという事実を知る

  • お金を使わない方法を学ぶ

  • 起業による利益ではなく進捗という効果を餌にする

  • 起業をサポートする人を作る

  • 日常の行動に起業を混ぜる

んー、確かに起業の場合でも行動できるようになりそうですが、いまいち「コレならイケる!」という確信は得られませんね……。

もう一度、ダイエットから学ぶ(笑)目標達成のための汎用的フレームワークに立ち返ってみよう。

ダイエットと起業の違いをひたすら列挙して、ボトムアップで考えていくのも良いんですが、せっかくダイエットから学ぶ(笑)目標達成のための汎用的フレームワーク(≒PDCA)を作ったので立ち返って考えてみましょう。

  1. 現象(目標)を支配する要素を知る

  2. 計画を立てる

  3. 実行とその記録

  4. 成果の確認

  5. 計画または実行の調整

  6. ステップ2~5の繰り返し

たしか、中小企業庁のデータによると計画を立てる人(起業準備)すら43.6%だったんですよね。

ーーあれ?これってもしかして

計画すらできないという原因は多分コレ


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