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たまに顔を出すので、しっぽをつかむ


月曜日の仕事帰り、中学生のおいっこと待ち合わせして一緒に帰りました。
おいっこの中学校と私の職場は徒歩数分圏内で超近いのです。

バス通学をしているのですが、田舎なもので一本逃すと結構待ってしまい
タイミングがかなり悪い。
そこで「私の終業時間と合う」かつ「今日は一緒に送ってほしい」という場合は一緒に帰ることにしています。

小学生とは違い、まぁお年頃なわけで。
きゃっきゃ話すことは少なくなり、いつもはぽつぽつ話すのですが

月曜日はあった途端
「ここまで来るのにさー、首にカナブンが落ちてきて」
やや興奮気味に口火をきりました。

突然上から何か落ちてきて、嫌な予感がしたからお辞儀みたいにペコっと首を下げたらポロリとカナブンが落ちてきてもう、ぎゃーって言いたかった
…とのこと。

どれだけ虫が嫌か、
たくさん虫が発生する夏がいかに苦手なのか
どんどん話が進んでいきます。

車内でうんうん話を聴き、あっという間に姉の家に到着しました。


姉一家はみんな虫の類が苦手です。
母が以前「男の人ばっかりなのにね」とポロリと話していました。
そうだねぇと答えながら

ん?待てよ。男の人=虫苦手じゃないって本当かい??
そんな疑問が出てきました。性差って関係あるのかなぁ。


ふと大学3年生で「実験」の授業があったときのことを思い出しました。
複数名1班で実験をしており、私以外はすべて男性という構成でした。
その実験では液体窒素を容器に移し替える。という作業があったのです。

液体窒素は直接触れてしまうと下手すれば凍傷になるようなシロモノ。
さあ誰がやるか。ということになりビタ一ミリ動かない面々。
しょうがないなぁと私がやりますよ。とゴーグル手袋をはめよっこらと容器を持ち上げたときに

「君たち、女性に危険なことやらせるのかね」


と教授から一喝、はっとして「俺やります、ごめん」と一人のメンバーが
バトンタッチしてくれたのです。


その時は「最初からやってくれりゃあいいのに」と思っていました。
でも、よくよく考えてみると
なんで、「男性」だからって危険なことやらなくちゃいけないのかしら。
…まぁ私がへっぴり腰で持ち上げてて教授が見てられん!と思ったのかもですが。

〇力があるから?だから強い所を見せなきゃいけない?
〇危ないことも変わってあげなきゃいけない?
〇苦手な虫も得意じゃないといけないのかなぁ

なんだか違和感あるなぁ


そして時空があっちゃこっちゃ行きますが前の職場にいる時
トラブル対応について、上司に相談していた時にこんな言葉を頂戴しました。


「この対応できる人は男性とか女性とか関係ないです。男性でもできないし、女性でもできるでしょ?」


そうか。今まで何とステレオタイプだったのだろう。と(概念として)げんこつ食らった衝撃でした。ごつーん


性差で大きく括ると「思い込み」からの「決めつけ」なんて恐ろしいことが生じて「生きにくさ」という厄介なものに繋がっていきますよね。

そして性別も「男女」だけではないカテゴリもありますし、今後も変わりそう。だからこそ・・・
できれば取りたい私のステレオタイプ、昭和後半代生まれなもので
まだじんわり沁みついていることを自覚しています。

こうやって小さなことから気づいていけるといいなぁと思います。

虫嫌いだったら、カナブンくらい素手でオバがとってあげます。
まかせておいっこ君。

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