#111 痕跡化する可能性って?①

新年、あけましておめでとうございます!

今年もよろしくお願い致します!からの超久々更新です。


前回から約40話あいてのノートの更新です!今回は以前のラジオで発見した大工道具の「痕跡」を深掘りしていきます!「痕跡」を発見した回はこちら!


●ラジオ内容の整理

今回のラジオは「痕跡」を深掘りしていく話になりますがその前提として、「痕跡」には見える痕跡/見えない痕跡の2つの分類があるとして、話をしています。

見える痕跡・・・大工道具の痕跡のように形跡として残る痕跡=これまでの継続や積み重ねといった時間の経過を体現する痕跡、のこと。(ex.アルバム、記憶、足跡、柱に身長を刻んだ跡、経年変化、etc)

見えない痕跡・・・見える痕跡と対になる概念=未来のために刻む痕跡。(ex.デザインあ、工芸とデザインの境目展、アイドルのマネージャーのインスタ、etc)

ラジオの中で度々ででくる、痕跡化する、という言葉は、過去の何かしらの事象を発見→事象の意味を抽象化→痕跡として再構築する、というプロセスを指しています。

事象が元々持っている意味をあえて誤読していくことで、今の自分にとって価値のある事象に変換していく。いわゆる編集的デザインと近い部分があります。

この痕跡化の事例としてある本を紹介します。

タイトルは「過去に公開した日記を現在の注釈とする」

内容を以下のリンクより抜粋して紹介します。

アーティスト丹羽良徳が2008年から2014年1月1日までにインターネットのブログ上で散発的に公開していた支離滅裂な公私混同の日記から約500日分を再編集したこの書籍は、基になるブログが現在、2014年1月1日付けで「年が明けたからといっていい気になるなよ」で更新が止まっていることを起点として、意識を過去に遡らせつつ、ありえなかった出来事や新しい解釈や、明らかにもしくは意図的に間違った注釈を挿入していくことで、日記そのものの真実性と信憑性を排除して、2015年から過去を再構築し、自己修正主義的な過去の解体を目指す。
既にその時に何があって、そうなってしまったのかは、今となってはよくわからないけれども、だったら今、その日記から何を考えられるか、展覧会やインタビューでは発言しなかったこともあるから、まあ今のうちに言ってしまおうかというような気持ちも込めて、個人的な純粋日記を手がかりに、注釈という脇役によって本体である日記の役割を破壊し創造していく試みである。


と紹介されています。

僕らはこの本を、過去の自分が作ってきた日記(見える痕跡)をその内容のままに(昔の自分の思いのままに)解釈するのではなく、あえて今の自分が誤読(新しく意味付け)を行うことで、日記を単なる思い出の痕跡から、これからの自分にとって価値のある痕跡(未来のための痕跡)に変換している、と捉えています。

この変換のプロセスは先に紹介した、痕跡化、にあたると考えています。

今回のラジオでは、痕跡の意味を広げていきながら、痕跡化することの可能性について色々と掘り下げていく回となっています!全5話になりますので、よければお付き合いください!

ノートでは、その会ででてくるオリジナル言語を解説していきたいなと考えてます!


以上、今回のラジオ整理になります!ありがとうございました!!

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