ガズィアンテプ2:美味すぎる!世界最古のバクラヴァ店
2021年末に訪れたトルコ南東アナトリア地方の街ガズィアンテプの食い倒れ紀行第二回はバクラヴァです。
トルコ南東部は2023年2月6日に起きたトルコ・シリア大地震で大きな被害を受けました。一刻も早い復興を願っています。
English follows Japanese.
トルコのお菓子の王様、バクラヴァ
バクラヴァをご存知か? 紙のように薄く延ばしたフィロ生地を数十枚も重ね、その間にピスタチオや胡桃を挟み、済ましバターを回しかけて、オーブンで焼き、更に砂糖のシロップを染み込ませたお菓子である。トルコだけでなくアラブ諸国、北アフリカ、中央アジア、コーカサス、バルカン半島まで人気が高いが、その起源はオスマン帝国のトプカプ宮殿にあるとされる。スルタンが最も愛したお菓子! まさに「中東のお菓子の王様」と呼んでも良いだろう。
バクラヴァもガズィアンテプを代表する料理の一つである。最高のバクラヴァを作るためには3つの原材料、ガズィアンテプ産のピスタチオ、ガズィアンテプ東隣の県であるシャンルウルファ県産の澄ましバター、シャンルウルファ県ハラン平原産の小麦粉が欠かせないとされる。更に、ガズィアンテプのバクラヴァ職人だけが持つ卓越した技巧も。
日本を出る一週間ほど前、イスタンブルのミシュラン星付きレストラン「Neolokal」のオーナーシェフで友人のMaksut Askar(マクスット・アスカル)に「ガズィアンテプに行くんだけど、行くべき店を教えてよ」と連絡した。すると「素晴らしい! ガズィアンテプの食べ物は何もかも特別だよ。世界最古のバクラヴァ屋『Elmacıpazarı Güllüoğlu(エルマジュパザル・ギュルオウル)』の主人Murat Güllü(ムラット・ギュル)を紹介するよ。彼は常に忙しいけど、バクラヴァ工場を案内してくれるかもしれないよ」と返事が来た。そこでムラットにチャットアプリで連絡すると「ぜひお店にお越し下さい。ガズィアンテプに到着したら連絡を下さい」と良い返事が届いた!
街にあふれるピスタチオ専門店
2021年12月25日、ガズィアンテプに到着し、ムラットに連絡すると「ちょうどお店にいるので今から会いましょう! 住所はエルマジュパザル(りんご市場)です」と即答が来た。
地図で見るとエルマジュ・パサルは前回取り上げたベイランの店「メタネト・ロカンタス」のすぐ近くで、宿から歩いて7~8分の距離だった。ガズィアンテプは街がコンパクトで歩きやすい。お土産の日本製ウイスキーを持って、いざエルマジュパザル・ギュルオウルへ!
旧市街にはピスタチオ屋を何軒も眼にした。どれもアンテップ産と大きく書かれているが、小粒のものから大粒のもの、塩を振ったもの、殻を除き紫色の薄皮状態のものなど、それぞれ値段が異なる。一番の売れ筋は1kgが125TL=1350円(2021年12月下旬のレート)ほどだった。店内には輝くような黄緑色のピスタチオパウダーや瓶詰めのペーストも並んでいた。ピスタチオパウダーは1kgで300TL=3300円(2024年4月には二倍近い値段になっていました)。のちにイスタンブルのナッツ専門店で探したが、この街で眼にした鮮やかな黄緑色のものは見つからず、褪せた黄色のものしかなかった。ピスタチオが「食べるエメラルド」と呼ばれるのは伊達じゃない。
エルマジュパザルは屋根付きの狭い道に昔ながらのスパイスや乾物の専門店が雑然と並び、まるでアラブ、特にレバノンやエジプト、シリアのスーク(市場)。昔ながらの日本の味噌屋に行くと無数の味噌が樽に入れられて並んでいるのと同じように、こちらでは赤唐辛子粉やパプリカのペースト「ビベール・サルチャ」が樽に入れられている。もちろんイスタンブルのエジプシャンバザールでもこうした風景は眼にするが、ガズィアンテプは流石に赤唐辛子の産地だけあって種類が豊富だ。ケバブやドルマ用のスパイスミックスを色合いも美しく、小山のように盛り付け、それを崩しながら売っている。このプレゼンテーションはエルサレム旧市街のスパイススークで見かけたのとそっくりだ。
エルマジュパザル・ギュルオウルはそんなエルマジュパザルの入り口近くに建つこじんまりしたモスクの隣にあった。
正面からお店を覗き込むと、店主のムラットがガラス越しに僕たちを見つけ、ドアを開いてお店に招き入れてくれた。
世界最古のバクラヴァ店にようこそ!
「世界最古のバクラヴァ屋にようこそ! この店は私の先祖が1843年頃、アナトリアからメッカまで陸路で歩いて行く巡礼客のために開いたんです。その後19世紀末にバクラヴァを専業とし、20世紀初頭に曽祖父のハジュ・マフムト・ギュリュがバクラヴァを現在の形に改良しました。私は6代目の店主です」
お店は奥に細長く、入り口は正面左手、その右側が全面ガラスでその奥に大きな金属のお盆に入った出来立てのバクラヴァが11種類並べられていた。入り口を入ると、お店の中央には奥に向かって横長のガラスケースが配置され、そこにバクラヴァを中心としたお菓子が美しく並べられている。ケースの奥には販売員が二人立っている。日本のケーキ屋とほぼ同じ造りだ。そしてお店の奥にはティーテーブルが4~5台並び、数組のお客さんがイートインしている。
「今日は11種類のお菓子がありますが、その中から私のおすすめのものを味わってください」
チャイとともに18cmほどのステンレスのお皿に乗った6種類のお菓子が運ばれてきた。どれもピスタチオのあざやかな黄緑色と小麦粉の生地が焼けたキツネ色が美しい! お皿の右下から時計回りに、ピスタチオ・バクラヴァ、スペシャル・スクエア・バクラヴァ、ピスタチオ・ロール・カダイフ、ピスタチオ・エズメスィ、スペシャル・ショビエット、中央真ん中がビュルビュル・ユヴァスィ(ナイチンゲールの巣)と呼ぶそうだ。
バクラヴァは五感を使って楽しむ
「まずは一番人気のピスタチオ・バクラヴァから食べてください。バクラヴァは五感全てをつかって楽しめるんです。まずフィロ生地の繊細なレイヤーを目で楽しみ、それを親指と人差し指で掴んで楽しみ、鼻先に運んで香りを楽しみ、一口噛んだ時のサクッという音を楽しみ、最後に味を舌で楽しむんです」
ムラットはそう言って、小さなバクラヴァを親指と人差し指でスッとつまみ、表裏を反転させて、裏側が上に来る様にして鼻先まで運んできた。まるでワイナリーの主人がワイングラスを持つような優雅なつまみ方だ。さすが老舗のお菓子屋の6代目主人! そして鼻から息を吸い込み、香りを楽しんだ後、おもむろにサクっとバクラヴァを口に入れた。
「裏返して口に入れるのはフィロ生地の層が上に来るようにするためです。フィロ生地が下だと、食べた時に生地が舌を覆ってしまい、ピスタチオや澄ましバターの味を十分に楽しめなくなるので、クルっと裏返すんです。」
おお、これまで30年以上もトルコだけでなく、中東や北アフリカの色々な地域でバクラヴァを食べてきたが、正しいバクラヴァの食べ方を初めて知った。
ムラットの真似をして、バクラヴァを目で楽しんだ後、指でつまんで繊細なテクスチャーを感じ、続いて鼻先に運び、スーっと香りを吸い込んだ。おお、ミルキーかつ華やかな澄ましバターの香りが濃厚! そこにピスタチオと焼けた小麦の香りが追いかけてくる。確かに香りだけで十分に満足できそうだ。香りの儀式を終えた後、初めて口に入れて、半分ほどを一気に噛み切る。サクサクっという乾いた音が口の中で響く。そして口の中はピスタチオ、澄ましバター、フィロ生地の祭りである。トルコ人仕様なので砂糖たっぷりで甘すぎるほどだが、それ以上に美味い!美味すぎる! ピスタチオ・バクラヴァは一気に食べてしまい、続いてスペシャル・スクエア・バクラヴァも口に入れた。こちらはピスタチオの割合がさらに高く、甘さも控えめで、僕はこちらが好みだ。
様々なバクラヴァやショビエット
続いてはピスタチオ・ロール・カダイフ。カダイフは小麦粉を使った細麺状の生地で、「天使の髪」とも呼ばれ、近年は中東料理だけでなく、フランス料理でも使われる機会が増えた。トルコや中東ではフレッシュチーズを挟んでオーブンで焼き、砂糖シロップをかけたお菓子「キュネッフェ」の人気が高い。ここでは、三つ編み状に束ねたカダイフでピスタチオパウダーを巻いたものを、オーブン焼きして、砂糖シロップをかけてある。フィロ生地の層とは異なるバリパリとしたカダイフの食感が楽しめる。
四つめは日本の五家宝にそっくりなピスタチオ・エズメスィ。エズメとはペーストという意味なので、これはピスタチオパウダーを砂糖と水で練り上げたもの。小麦粉生地や澄ましバターを使っていないのでピスタチオ原理主義者にはこれがおすすめだ。
五つめはスペシャル・ショビエット。ショビエットはフィロ生地の間にカイマック(クロテッドクリーム)を詰めたもので、レシピはムラットの祖父のジェヴデット・ギュリュ氏が1960年代後半に作ったものとされる。僕はカイマックが大好きなので、バクラヴァよりもショビエットのほうが好きになってしまった!
そして六つめが「ナイチンゲールの巣」を意味するビュルビュル・ユヴァスィ。フィロ生地の層が厚く、指で持つと崩れてしまいそうなほど繊細なお菓子だ。
「トルコの建国の父アタテュルクがガズィアンテプを訪れた際、彼は私の曽祖父が作ったこのお菓子を気に入り、ぜひアンカラに持っていきたいと追加注文しました。翌日、地中海に浮かぶ彼の船までお菓子をジープで運ばせたという逸話があります」
バクラヴァの伝統を未来へ
砂糖と小麦粉と澄ましバターたっぷりのバクラヴァはカロリーも糖質も脂質も当然高ぎるほどだ。しかし、どれも美味すぎて、僕は6つをすぐに食べ終えて、追加でミディエ・ショビエット(ムール貝の形のショビエット)まで頼んでしまった。ガズィアンテプにいる間にあと何個食べて、何kg太ることになるのだろうか? 嬉しい悲鳴ではないか!
「正直に言うと、当店のお菓子はどれも同じ材料からできています。ピスタチオと小麦粉と澄ましバターです。しかし、全部違った味になるのが不思議ですね。そして毎日食べても飽きない。それがバクラヴァの魅力なんです」
エルマジュパザル・ギュルオウルはウェブサイトを通じて世界中から注文を受けていて、日本からも定期的に注文が入っているのだそう。
https://www.elmacipazarigulluoglu.com/Default.aspx
「ガズィアンテプにはバクラヴァを仕事にしている人が一万人以上もいます。その上、今では無数のバクラヴァ職人がこの街から世界中に働きに出ています。そうした職人たちが帰省すると、当店に立ち寄って、私の曽祖父の写真を前にお礼を言って帰るんです。この伝統とレシピを、ぜひ自分の子供たちや未来に残したいですね。ところでガズィアンテプには何日滞在しますか? 時間があったらバクラヴァ工場を案内したいし、おすすめの店も紹介しますよ」
Gaziantep 2: The World’s Oldest Baklava Shop
The King of Turkish Sweets, Baklava
Do you know Baklava? It's a dessert made by layering dozens of sheets of paper-thin phyllo dough, with pistachios or walnuts in between, drizzling clarified butter over it, baking it in the oven, and then soaking it in a sugar syrup. It is popular not only in Turkey but also in Arab countries, North Africa, Central Asia, the Caucasus, and the Balkans. Its origin is believed to be in the Topkapi Palace of the Ottoman Empire. It was the sultan’s most beloved sweet! Truly deserving of the title "King of Middle Eastern Sweets."
Baklava is also one of the representative dishes of Gaziantep. To make the best baklava, three essential ingredients are needed: pistachios from Gaziantep, clarified butter from Şanlıurfa, the province just east of Gaziantep, and flour from the Harran Plain in Şanlıurfa. Additionally, only the baklava artisans of Gaziantep possess the exceptional skills required.
About a week before leaving Japan, I contacted my friend Maksut Askar, the owner-chef of the Michelin-starred restaurant "Neolokal" in Istanbul, asking, "I'm going to Gaziantep, can you recommend any places I should visit?" He replied, "Fantastic! Everything about Gaziantep’s food is special. I'll introduce you to Murat Güllü, the owner of the world's oldest baklava shop, 'Elmacıpazarı Güllüoğlu.' He’s always busy, but he might be able to give you a tour of the baklava factory." When I contacted Murat via a chat app, he replied, "Please visit our shop. Contact me when you arrive in Gaziantep."
A City Filled with Pistachio Shops
On December 25, 2021, upon arriving in Gaziantep, I contacted Murat, and he promptly replied, "I’m at the shop right now, let’s meet! The address is Elmacı Pazarı (Apple Market)." According to the map, Elmacı Pazarı was very close to Metanet Lokantası, the beyran shop mentioned the previous post, and just a 7-8 minute walk from my hotel. Gaziantep is compact and walkable. Armed with a gift of Japanese whiskey, I set off for Elmacıpazarı Güllüoğlu!
I noticed several pistachio shops in the old town, each proudly advertising their Antep pistachios. Prices varied depending on whether the nuts were small or large, salted, shelled, or with their purple skins intact. The best sellers were around 125 TL per kilogram (about 1,350 yen at the exchange rate in late December 2021). Inside, the shops displayed vibrant green pistachio powder and jars of paste. Pistachio powder was 300 TL per kilogram (about 3,300 yen). Later, I searched for similar brightly colored pistachio powder in Istanbul’s nut stores but found only faded yellow ones. No wonder pistachios are called "edible emeralds."
Elmacı Pazarı had narrow covered streets lined with traditional spice and dry goods shops, reminiscent of Arab souks, particularly those in Lebanon, Egypt, or Syria. Just like the myriad barrels of miso in traditional Japanese miso shops, here red pepper powder and paprika paste "biber salça" were sold from barrels. Though similar scenes can be seen in Istanbul’s Egyptian Bazaar, Gaziantep, being a major red pepper production area, boasted a more extensive variety. Spices for kebabs and dolmas were beautifully displayed in colorful heaps, reminiscent of the spice souk in Jerusalem’s Old City.
Elmacıpazarı Güllüoğlu was next to a small mosque near the entrance of Elmacı Pazarı. As I peeked into the shop, Murat spotted us through the glass and invited us in.
Welcome to the World’s Oldest Baklava Shop!
“Welcome to the world’s oldest baklava shop! My ancestors opened this shop around 1843 to cater to pilgrims traveling on foot from Anatolia to Mecca. Later, in the late 19th century, they specialized in baklava, and my great-grandfather Hacı Mahmut Güllü refined baklava to its current form in the early 20th century. I am the sixth-generation owner.”
The shop was long and narrow, with the entrance on the left and a glass display case on the right, showcasing 11 types of freshly made baklava in large metal trays. Inside, a long glass counter displayed various sweets, mostly baklava. Behind the counter stood two sales clerks. The shop’s layout was almost identical to that of a Japanese cake shop. At the back, there were four or five tea tables, with a few groups of customers enjoying their sweets.
“Today, we have 11 types of sweets, but please try my recommendations.”
Six types of sweets on an 18 cm stainless steel plate, along with tea, were brought to us. The vivid green of the pistachios and the golden brown of the baked phyllo dough were beautiful! Starting from the bottom right, clockwise, were pistachio baklava, special square baklava, pistachio roll kadaif, pistachio ezmesi, special şöbiyet, and in the center, bülbül yuvası (nightingale’s nest).
Enjoy Baklava with All Five Senses
“First, please try our most popular pistachio baklava. Baklava can be enjoyed with all five senses. First, appreciate the delicate layers of phyllo dough with your eyes. Then, feel it with your thumb and index finger, bring it close to your nose to enjoy the aroma, savor the sound of the crispy bite, and finally, taste it on your tongue.”
Murat said this, gracefully picking up a small baklava with his thumb and index finger, flipping it so the bottom was on top, and bringing it to his nose. It was a graceful gesture, much like a winery owner holding a wine glass. As expected from the sixth-generation owner of a renowned confectionery! After inhaling the aroma, he took a crisp bite.
“Flipping it ensures the phyllo layers are on top, preventing the dough from covering your tongue and allowing you to fully enjoy the pistachio and clarified butter flavors.”
Wow, despite eating baklava for over 30 years across Turkey, the Middle East, and North Africa, I learned the correct way to eat it for the first time. Mimicking Murat, I admired the baklava, felt its delicate texture with my fingers, brought it to my nose, and inhaled deeply. The rich, milky, and floral aroma of the clarified butter was followed by the scent of pistachios and baked wheat. The aroma alone was deeply satisfying. After the aromatic ritual, I took my first bite, savoring the crispy sound. My mouth was filled with a festival of pistachios, clarified butter, and phyllo dough. Though sweetened to Turkish tastes, it was delicious! Too delicious! I quickly finished the pistachio baklava and moved on to the special square baklava, which had a higher pistachio content and less sweetness, which I preferred.
Various Baklava and Şöbiyet
Next was pistachio roll kadaif. Kadaif, also known as “angel’s hair,” is fine wheat noodles increasingly used in French cuisine. In Turkey and the Middle East, it is popular in the dessert “künefe,” which is baked with fresh cheese and drizzled with sugar syrup. Here, kadaif is braided around pistachio powder, baked, and drizzled with sugar syrup, offering a crunchy texture different from phyllo layers.
The fourth item was pistachio ezmesi, which closely resembled Japan’s Gokabo. “Ezme” means paste, so this was pistachio powder kneaded with sugar and water. For pistachio purists, this is a must-try as it contains no wheat or clarified butter.
The fifth item was special şöbiyet. Şöbiyet is phyllo dough filled with kaymak (clotted cream), a recipe attributed to Murat’s grandfather, Cevdet Güllü, from the late 1960s. As a lover of kaymak, I found myself favoring şöbiyet over baklava!
The sixth item, bülbül yuvası, or nightingale’s nest, was a delicate pastry with thick phyllo layers that seemed ready to crumble at the touch.
“When the father of modern Turkey, Atatürk, visited Gaziantep, he loved this dessert made by my great-grandfather and ordered extra to take to Ankara. The next day, the sweets were transported by jeep to his ship in the Mediterranean.”
Preserving the Tradition of Baklava for the Future
Baklava, with its ample sugar, wheat, and clarified butter, is high in calories, carbohydrates, and fats. However, it’s so delicious that I quickly finished all six pieces and even ordered an additional midye şöbiyet (mussel-shaped şöbiyet). How many more will I eat, and how many kilograms will I gain during my stay in Gaziantep? It’s a delightful dilemma!
“Honestly, all our sweets are made from the same ingredients: pistachios, wheat, and clarified butter. Yet, each has a different taste, which is fascinating. And you never tire of eating them every day. That’s the charm of baklava.”
Elmacıpazarı Güllüoğlu accepts orders from around the world through its website, with regular orders from Japan as well.
“Over 10,000 people in Gaziantep work in the baklava industry. Moreover, countless baklava artisans from this city now work worldwide. When these artisans return home, they stop by our shop to thank us in front of my great-grandfather’s photo. I hope to pass this tradition and recipe to my children and the future. By the way, how long will you stay in Gaziantep? If you have time, I’d like to show you the baklava factory and recommend some shops.”
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