台湾人の游さんの料理がとある女性のなみだ飯。
今日のディナータイムの出来事が私の心を動かしました。
とある女性のお客さまが一人でSALAに立ち寄られた。
その女性は台湾の前菜が少しずつ種類多く食べれる「台湾前菜プレート」を食べながら数杯のお酒を嗜まれていた。
ゆっくりと時間をたのしまれていてすてきだな、と思ってた。
そしてしばらくしてお会計に来られた。
すると、大量のなみだをこぼされた。
頭にめぐるのは「何かしてしまったか!?」という焦り。
すると女性が
「ごめんなさい。なんかなみだが止まらなくて。」
「ただ通りすがりでふらっと立ち寄っただけなのに。ふらっとだなんてなんか失礼な言い方ですよね…」
もちろんそんなことはなくて、一体何があったのかと思考を巡らせた。
どうされましたか?と聞いてみた。
「なんですかね。酔っ払っちゃったかな。でも、昔お世話になった台湾の方のことを思いだして、懐かしくて。なみだが止まらない。」
そしてまた大粒のなみだをしばらく流された。
そんな女性の姿を見ると気の利いたかける言葉が見つからなくて、游さんの話をして、またいろんなもの食べてくださいね、と何気ない一言をいってお見送りをしました。
そのあとに、いろんな思いが駆け巡る。
自分のしている仕事のこと。今までにもたくさんのお客さまで外国人の人も日本人の人も。故郷、大切な思い出がある場所、異国の地に思いを馳せてSALAで異国のごはんを食べて感動してくださったことがある。
一つのハーブが、調味料が、異国の言葉が心を動かす。
自分たちには分からないくらいに、きっとその人の中ではその国に深い思い出があり、思い入れがあり、その強烈な思い出を思い出すきっかけがその国の料理だったりする。やっぱり私でも慣れ親しんだ母の味、たまに食べるとなんとも言い難い胸がぎゅっとなる切ない感情が湧き出てくる。不思議な感覚です。でも懐かしくって愛おしい味。そのときの記憶や思い出が味から蘇ります。
料理は人の気持ちを動かすし、人の心の深いところに触れる瞬間がある。
そんな大切なきっかけを私達は1日中作っているんだ。
だからこそ、いままでもこれからも。家庭料理を通じていろんな国の文化を伝えるため、だけではなくて、一期一会の方々への心の深いところに触れるきっかけを作っている仕事だということを自覚して。変わらずにSALAのお母さんたちと一緒に料理を真心込めて作っていきたい、そう思いました。
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